必死に任務を遂行する高橋さん
同じころ、高橋さんは必死に任務を遂行していた。ジャンプ力を高めて1つずつボールをとっているため、しっかり1回ずつダメージが蓄積していく。なんとか任務を終えて満身創痍の高橋さんは、よろけてボールに乗ってしまい、頭を強打。なんとも不憫だった。
高橋さんがそんな目に遭っているとは露知らず、3人は校庭に怪しい人影を発見する。どうやら地上絵の犯人らしい。しっかりシルバーのスニーカーを履いている人物がいることも確認できた。だが、3人は犯人たちに逆上されることを恐れて、声を掛けることができない。
「画力が上がっている」「考察がしやすいように意味深なマークにしている」などと呑気に宣う犯人たちには腹が立つけれど、下手に動かないのが吉だろう。目の前でみすみす逃がしちゃうのは悔しいけど…。
すると、突然ものすごい勢いでなにかが飛んできて、犯人の1人が吹き飛んだ。続けて、2人、3人と倒れていく。なんとそれは、大きな満月を背景に勇ましく立つ高橋さんがしたことだった。さっきとったバレーボールを犯人たち目掛けて投げ、最後は清美にもらった黒糖飴を銃弾のように吹き飛ばして仕留めた。まるで『SAKAMOTO DAYS』の元殺し屋・坂本太郎だ。
かくして、体育館のバレーボールと地上絵の謎が無事に解決。高橋さんはこのあと、熱と筋肉痛と関節痛と口内炎という副作用に見舞われるらしい。だが、やっぱり清美と高橋さんが働くホテルの温泉に浸かることで、ある程度の治癒が見込めるとか。高橋さんは、どうしてこの温泉にそんな効果があることを知ったのだろう。宇宙人ネットワークでもあるのかな。
みなぷぅがインタビューを受けた富士山論争は、「地元民は意外と気にしていなかった」と結論付けられていた。富士山しかり、地上絵しかり、対立も考察も、誰かの意図が働いたものだが、「意図を汲む時代は終わったのかもしれない」という清美の言葉が妙に清々しい。
そして、夜に家を抜け出す口実として、娘に「コンビニに行ってくる」と嘘をついた清美は、買ってくるはずのトイレットペーパーと午後の紅茶を忘れていた。40歳を過ぎたからなのか、あくまでもうっかりなのか。
いや、残念だけど、多分年齢のせいだろう。となると忘れっぽいみなぷぅが、「体育館の天井に最初にボールを挟んだ犯人は自分」という事実を墓場まで持って行こうと決めたことをすっかり忘れて、2人に話してしまわないことを祈る。