NHK大河ドラマ『べらぼう』第3話考察レビュー。横浜流星”蔦重”の才能開眼…その成功に不穏な表情を見せたのは?

text by 苫とり子

横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が現在放送中。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く。今回は、第3話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

吉原を盛り上げるため、新たな本作り

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第3話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第3話 ©NHK

 花の井(小芝風花)の協力もあり、江戸の有名人である平賀源内(安田顕)に「吉原細見」の序文を書いてもらうことに成功した蔦重(横浜流星)。

 地本問屋・鱗形屋(片岡愛之助)から改所、いわば情報の精査を任されたされた蔦重の名前も掲載された細見は無事に発行される。しかし、源内のネームバリューで本自体は売れたものの、集客には繋がらなかった。

 吉原では相変わらず閑古鳥が鳴いており、貧しさを極めた河岸見世「二文字屋」の女郎たちは衰弱していく一方。女将のきく(かたせ梨乃)は年齢や病気で行き場を失った女郎たちを引き取ってきたが、店を畳むことも考えていた。

 吉原では金にならないと判断され、田舎に売られていく女郎もいる。細見の改めの件で激怒した駿河屋(高橋克実)からボコボコにされた蔦重だが、ここで立ち止まっている暇などなかった。吉原を盛り上げるため、蔦重は新たな本作りに着手する。

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