現場で磨かれた“間”の演技
ーーー尾碕さんが演じる古橋琴葉は、非常に謎めいている人物ですね。
尾碕「私は、工藤さんとは逆で、私生活とは完全に切り離して役作りをしました。琴葉になるために意識したことは、とにかく余裕を持つことです。琴葉は、色気や余裕のある仕草というのがキーポイントだと思うので、観ている方々のハートをグッと掴めたらいいなと考えながら演じました」
ーーー確かに節々で緊迫感溢れる演技でした。
尾碕「とにかく、余裕をもってセリフを言うことに早く慣れようと思いつつも、悪い緊張をしないように心がけました」
ーーーとても難しそうですね。
尾碕「この役に限らず、私は緊張しすぎると、表現の幅が狭まってしまう感覚があるんです。だからこそ、ほどよくリラックスすることを心がけました。セリフでは間を大事にし、落ち着いて発するように意識してこの役に挑みました」
ーーー尾崎さんご自身の中で、琴葉と共通する部分はありましたか?
尾碕「言葉を、そのまま受け取れないところが、似ていると思っています。例えば、仕事で『今のよかったよ』と言われても、『いや、嘘つけ!』と疑ってしまうんです(笑)。でも、人を信じていないんじゃなくて、『そんなわけないだろう』と、自分を疑っているからなのかもしれませんね。
そういう、人からの言葉や優しさ、愛情をそのまま受け入れられていないところが、私と琴葉の共通点なのかな」