たった1つの意味の取り違えが、通報者の人生を左右する
中国人通報者がしきりに発していた「青龍飯店」。通訳者は「飯店」を「ホテル」と訳すが、紗良の助け船によって「飯店」が「レストラン」を指していたことが判明する。
台湾ではむしろ「ホテル」を意味することの方が多く、決して間違いではないのが難しい。紗良本人は、「勘違いしやすい単語を覚えていただけです」なんて涼しく言うけれど。細かなニュアンスをかぎ分けるまでには、相当な努力を要したのではないかと思う。
また、同僚の箕輪健介(前原滉)が、別の外国人通報者からのコールを受け取ったとき。電話口の女性は、「お腹が痛い、“バッドエッグ”のせい」と繰り返し訴えていた。
直訳すると“悪いたまご”=腐ったたまごに当たって腹痛か…?と考えがちだが、紗良は“バッドエッグ”は英語で「ろくでなし」を意味すると指摘。つまり、通報者の女性は「恋人に殴られた」と告げていたのだ。
意味の取り違えひとつで、通報者の人生を大きく変えてしまう可能性もある…一瞬一瞬が指令管制員にとって“現場”なのだ、と。改めて考えさせられたシーンだ。