「助けて」と叫べる人の方がタフ

『119 エマージェンシーコール』第3話 ©フジテレビ
『119 エマージェンシーコール』第3話 ©フジテレビ

 体調不良でも、無理して仕事をしてしまう…。頑張りすぎることがデフォルトになっている人は、きっと紗良に共感するのではないだろうか。

 SOSを出せないのにはさまざまな理由があると思うが、紗良の場合は責任感の強さ。「自分がやらねば」という意識が強いのと、そもそも他人に頼ることにも慣れていないのだろう。「ずっとちゃんとやってきたんです 誰かに助けてもらわなくても 自分一人でちゃんと…」の言葉からも、それは明らか。

 そんな紗良の意識をくるりと変えてくれたのは、主任の堂島信一(佐藤浩市)だった。119番のコールのなかには、指令管制員がひどく心をすり減らしてしまう理不尽な通報もある。なのに、なぜ休憩時間まで他人と話すのかが、紗良はずっと疑問だった。

 堂島は、くだらない雑談は、つぶれないための“ガス抜き”であると説く。そして、図々しくても「助けて」と叫べる人がタフなのだ、とも。意味などないと思っていた雑談は、実は最も自分に必要なものだったと知った紗良…。

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