生徒からの信頼を勝ち取りつつある御上(松坂桃李)
生徒が力を合わせ、信頼できる担任教師と力を合わせながら、組織の者や学校側にあっと言わせる構図は爽快だ。御上の発案によるディベートで、生徒同士での議論から前へ進んでいった様子も、第2話でアンチテーゼ的に示唆されたこれまでの学園ドラマと重なる部分もあるように感じる。
また、いつの間にか御上が生徒側からの信頼を勝ち得ていることにも気づく。生徒たちが学園祭で着ていたクラスTシャツには「TEAM OKAMI」の文字があり、東雲は「プランオカミ発動します」なんてことも言っている。
ただ、その距離が縮まっていることにそれほど違和感がないのは、御上の姿勢にあると思う。常に生徒たちに考えることを求め、自分からは早々簡単に答えを言わない。生徒たちが能動的に発言したことに対して「そうだね…」と一度は飲み込むのはいわば“御上スタイル”だ。
子供たちの言葉を決して安易に否定することはせず、「でもこういう考え方もあるよ」と提案する姿勢は教育や育児の理想的な形ではないだろうか。気づけば他の先生がいる職員室内でも「おかみ」と呼ばれる急速な距離の縮まり方はもはや妥当とすら思える。