タイムカプセルに込められた未来への期待
誠司はカンボジアに学校を建てる夢を実現するため、希望の道をあとにした。ところが、海辺で何者かに後頭部を殴られて気を失い、搬送先の病院で20年間眠り続ける事態に陥った。
病室で目覚めた誠司は寝たきり状態であったが、リハビリに励み、強固な意志の力で驚異的な回復を遂げた。とはいえ、記憶障害は深刻で、自分の名前も分からない状態であることには変わりはない。
そんなある日、誠司は病室の外で鳴り響く「夕焼け小焼け」のチャイムを耳にし、希望の道と教え子についての記憶がよみがえった。この記憶の回復とともに誠司の身体は自動的に動き出したようだ。病室を飛び出し、万全な健康状態とはほど遠い身体をひきずり、希望の道へと向かった。
まもなくして、誠司は希望の道がすでに存在していないことを知る。20年前に子どもたちと一緒にタイムカプセルを埋めた林の中で、絶望感に包まれながら座っていると、教え子・ゆかり(長濱ねる)がやってきた。ゆかりとの再会に喜びつつも、おどろく誠司に、ゆかりは今日がタイムカプセルの開封式の日であることを教える。
誠司とゆかりは他の仲間たちが訪れないことに気落ちしていたが、2人はタイムカプセルを掘り起こすことに…。タイムカプセルは全員分見つかり、冷静なゆかりの傍で、誠司はそれぞれに届けたいと胸をふくらませていた。