田中洸希が魅せるニクい演出

『人事の人見』第1話 ©フジテレビ
『人事の人見』第1話 ©フジテレビ

 そんな人見が今回、解決策として選んだのはなんと「ラップ」。カラオケ好きの社長・小笠原(小野武彦)のは発案で行われた社内カラオケ大会。瀬沼が高校生のときにラップの大会で優勝していることもあり、ラップで海藤に言いたいこと言っちゃおうぜ、という大胆不敵な作戦である。そして人見に説き伏せられた海藤がマイクを握り言い返す…というファンキーな展開となった。

 瀬沼演じる田中洸希は9人組ミクスチャーユニット「SUPER★DRAGON」のメンバーだ。グループでは歌、ラップ、ビートボックス、ダンスをこなす。今どきっぽさのある瀬沼を演じつつ、終盤でガツンとラップでみせるのはにくい。

 とはいえ、この解決策が現実的かというと否である。そもそもパワハラ自体も、海藤の苦悩もあった。新人がパワハラだと言って辞めないように、と違う方向へ気をまわしてしまい、それが逆にパワハラと思われてしまったというもの。

 人事部自体も、平田が上層部と現場の板挟みになっていて若干不安な部分があり、見ていて「この人事部、大丈夫か?」と思わずにいられない。

 そこに来て、人見のキャラクターである。ヘタをしたら、「なんだかイラッとするわ…。」と思われかねないところなのだが、そこを松田元太の本来の愛されキャラがカバーしているようにも思える。

 そうなると、松田にプレッシャーがかかりすぎでは? という気もしてしまうが、なにせほかの俳優陣も豪華、そして絶対に一癖あるだろう、と予感をさせてくれる。人見が引っ掻き回すことによって、それぞれのキャラクターがどのように活きてくるのか、そして「日の出鉛筆」の企業風土は変化するのか。そのためには働いている人たちの意識の改革も必要だが、それがどのようになされていくのか。

 エンタメ色たっぷりのドラマとなるか、それとも意外と社会派なのか。期待できるポイントはいろいろとありそうだ。

(文・ふくだりょうこ)

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【了】

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