なぜ、自ら修羅場で戦い続けるのか?
スピード感宿るオペシーンもさることながら、まず驚かされるのは医療スタッフの少なさだ。多くのメディカルドラマで描写されてきた、最新の医療設備が整うなか、複数人の医師と看護師が連携を取り合うイメージとはかけ離れている。
研修医・薬師寺保(佐野晶哉)らのサポートはあれど、ほぼ朱羅のワンオペなのだ。
二次救急(24時間体制で入院・手術が必要な患者に対応する救急医療)であること、医療ミスを恐れる院長の方針により、重症患者は受け入れないはずだが、それは朱羅が許さない。ときには解雇も恐れず患者を引き受け、ときには自ら事故現場に患者を救いに行く。
なぜ、こんなにも朱羅は修羅場に足を踏み入れ、戦い続けるのか?その答えは、彼女の「患者が修羅場をさまよっている、わたしは命を見捨てることなんてできない!」という、魂のこもった言葉からも明白。
であるが、そこには医師同士の対立や新病院の設立問題、朱羅の師匠・多聞真(渡部篤郎)との約束など、さまざまな事柄も絡んでいるようす。次回以降、それぞれのキャラクターの背景とともに、丁寧に深掘りされていくのだろう。