薬師寺保(佐野晶哉)の成長にも期待
正直なところ、原作序盤の朱羅は、見る人によってはかなり過激で鋭利なキャラクターに映る。たとえば、時たま患者のことを「わたしのエモノ」と呼んだりする。本作では、保の頑張りにうっすらとほほえむなど、振る舞いが若干マイルドになってはいるものの、救命への並々ならぬ情熱や芯の強さ、強靭な胆力は健在。
なので、やっぱりちょっと険のある人物のように感じてはしまうのだけれど。松本若菜がりりしく引き締まった演技で体現する朱羅をみていると、それがかっこいいキャラクターとして、不思議とすっと受け入れてしまえるのだ。
そして、孤軍奮闘する朱羅とのコンビネーションを期待したいのが、研修医の保。初回から見事なポンコツっぷりが目立ったが、朱羅に振り回される姿はなんとも不憫かわいい。
現場経験も浅く、自信もあまり持ち合わせていないように思えるが、突如投げ込まれた修羅場に戸惑いつつも果敢に挑んでいく姿は、可能性にあふれていた。保を演じる佐野晶哉の魅力も相まって、うんと愛されるキャラになっていきそう。彼の成長譚も、きっとひとつの見どころになっていくのだろう。
朱羅が対立するであろう医師たちには、荒川良々、佐野史郎、鈴木浩介と、少々癖の強い面々が控えている。今後ますます彼女をとりまく環境は、激化していきそうだ。ついに開幕した、ノンストップ救命劇場。朱羅たちの躍進を、しっかりと見届けていきたい。
(文・西本沙織)
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