大河ドラマ『べらぼう』は”声”も超豪華…近年、声優がドラマに起用される理由とは? 第20話考察&感想レビュー【ネタバレ】

text by 苫とり子

横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が現在放送中。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く。今回は、第20話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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ついに、市中の本屋との取引が解禁

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第20話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第20話 ©NHK

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第20話「寝惚(ぼ)けて候」は、蔦重(横浜流星)にとって大きなターニングポイントとなる回。これまで禁じられていた市中の本屋との取引がようやく認められたのだ。そのきっかけを作ったのは、狂歌師の寝惚先生こと大田南畝(桐谷健太)である。

 寛延2年(1749年)、下級武士の家に生まれた大田南畝。幼い頃から学問と文筆に秀でた神童で、19歳の時にかねてより交流のあった平秩東作(木村了)に薦められて出した狂詩集「寝惚先生文集」が大ヒット。その序文を書いた平賀源内(安田顕)も彼の才能を高く評価していたという。

 そんな南畝が天明元年(1781年)に刊行された全青本をランク付けした「菊寿草」で、朋誠堂喜三二(尾美としのり)の最新作「見徳一炊夢」に最高評価をつけた。たちまち話題となり、「見徳一炊夢」は飛ぶように売れる。

 すると、これまで鶴屋(風間俊介)や西村屋(西村まさ彦)と共に蔦重の地本問屋入りに反対してきた岩戸屋(中井和哉)が同書を仕入れたいと言い出す。仲間内の決まりで蔦重とは取引できないはずだが、今年一番の本を置いてねえってなぁ、本屋としてまずいでしょうって言い訳ができんだろ」と。

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