衝撃の展開…安達祐実“汐里”が怪しすぎる? 現時点で判明していることは? ドラマ『誘拐の日』第3話考察&感想レビュー【ネタバレ】
ドラマ『誘拐の日』(テレビ朝日系)が放送中だ。本作は、斎藤工演じる誘拐犯と、永尾柚乃演じる記憶を失った天才少女2人の奇妙な逃亡劇&特別な絆を描く《巻き込まれ型》ヒューマンミステリー。今回は第3話のレビューをお届けする。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】
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全方位から迫る魔の手
追われて追われて追われまくっている。
公開捜査となり、自身の顔が白日の下にさらされることとなった政宗(斎藤工)。これまでよりも数段、捕まる可能性がアップした。追っているのは警察だけではない。凛(永尾柚乃)を狙っている大人たちがいる。
第2話では政宗たちを執拗に狙う謎の男に怪我まで負わされた政宗。絶体絶命のピンチを救ったのは政宗の妻・汐里(安達祐実)だった。
一旦は汐里のマンションに身を寄せる政宗と凛。政宗はともかく、凛は汐里に対して警戒心むき出し。そりゃあそうだ、自分を誘拐しようと提案した人なのだから。
自分の両親を殺したのは汐里ではないかと疑う凛だが、汐里はこれを否定する。両親を殺してしまったら身代金がとれないではないか、と。ごもっとも。
とは言え、今回、汐里はいろいろと政宗たちに語ったけれど、怪しさが消えたわけではない。
消せない違和感、汐里(安達祐実)が抱える矛盾
まず、三年前に政宗と芽生(日下莉帆)の前から姿を消したのは自身がHIVと発覚したからだという。そのことを政宗が知れば、なんとしてでも自分のそばにいようとする、それが心苦しかった。自分が弱っていく姿を2人には見せたくなかったのだと。
政宗は汐里の言い分にあっさり納得するが、凛は訝し気な目線を向ける。そんな殊勝なことを言う人が、娘の手術費用欲しさで他人の子どもを誘拐するだろうか?「誘拐」という手段が選択肢にある時点で汐里だってまともな人間ではないと思うのだけれど。
それに、汐里は政宗に頼まれていたにも関わらず、娘・芽生の様子を見に行っていない。本当に家族のことを大切に思っていると言われても、今の段階では納得できない。
そして何より汐里の態度からは、誘拐事件と関わりたくないと思っているように感じる。HIVについても政宗の同情を引き、部屋から追いだそうとしているようにしか見えないし、誘拐の発端者でありながら自分は事件と無関係で押し通すつもりなんじゃないか、とさえ思えてくる。
そして最大の疑問は「汐里はどうして凛を誘拐のターゲットにしたか」だ。凛に虐待されたような跡があることから、誘拐されたとしても凛の両親は通報できないと考えたと汐里は説明していたが、その真意は果たして…。
明かされ始めた天才少女・凛(永尾柚乃)の正体
凛についても詳細が少しばかり明らかになった。栄進記念病院の顧問弁護士・山崎(深澤辰哉)が須之内(江口洋介)に語ったことだ。凛は20ヶ国語を話すことができ、各ジャンルの専門知識を持っているという。さらに国内最年少MENSA会員。正真正銘の天才少女である。
凛が途切れ途切れで思い出す記憶では、何かしらの訓練をしている様子がある。父の七瀬守(半田周平)は研究に熱心だったというが、やはり凛に関係することなのか。様子からして、山崎はそのあたりも把握していそうだが…。
山崎の立ち位置も謎だ。弁護士であるが、七瀬家のもっと深いところまで入り込んでいそう。見間違いでなければ凛の大叔父・富雄(長谷川初範)の爪を切っていたような。秘書も務めているということだが、爪を切るのも秘書の役割なのだろうか?
凛が両親を殺した可能性も?
3話ラストではとうとう謎の男に捕まってしまった政宗と凛。連れて行かれたのは医学博士・水原(内田有紀)のもとだった。水原は凛のことを「人類の希望」と言う。天才的な頭脳のことを希望と言うのかもしれないけれど、それだけだろうか。凛は何か人体実験のようなことをさせられている可能性も大いにある。
「凛が一体何者なのか」という点も含め、謎は多く提示されているもののまだ真実には近づいていない。大きなところでは凛の両親を殺したのは誰なのか、ということだ。現状、記憶をなくしている凛が殺した――なんて展開もあり得る。
凛自身が、家の中にあるもので両親は殺されていると言っていたが、衝動的に家の中にあるもので殺した可能性もあるのだ。凛だったら、殺したあとに返り血を浴びたとしても身だしなみを整えてから家を出るぐらいのことはしそう。一方で知っている人物が両親を殺す場面を見てしまい、そのショックで記憶喪失になった、という説のほうがしっくり来そうでもあるが。
まず真実に切り込むのは凛と政宗か。それとも須之内か。
【著者プロフィール:ふくだりょうこ】
大阪生まれ関東育ちのライター。
大学卒業後からライターとして活動、シナリオ制作やエンタメジャンルの記事を中心に執筆。
ドラマと邦画、ハイボールと小説が好き。
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