成田凌「なんで俺が？」が最高…ナ・イヌとの同居生活をずっと見ていたいワケ。『初恋DOGs』第4話考察＆感想【ネタバレ】

2025/07/25

text by あまのさき

清原果耶主演のドラマ『初恋DOGs』（TBS系）が放送中だ。TBSが韓国の制作会社STUDIO DRAGONと初タッグを組んだ本作は、愛犬同士の一目ぼれから始まる、こじらせ大人3人の国を越えたラブストーリー。今回は、第4話のレビューをお届け。（文・あまのさき）【あらすじキャスト解説考察評価感想レビュー】

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快（成田凌）とソハ（ナ・イヌ）の同居生活がスタート

　将軍＝ロッキーを取り戻せなかったことでウロアグループを追い出されそうになっているソハ（ナ・イヌ）は、「快（成田凌）と将軍を守るため」というもっともらしい言い訳をして、快との同居生活をスタートさせた。

　財閥3世としてこれまでは周囲に手伝ってくれる人が大勢いたからだろう。居候の身にもかかわらず、快に朝ごはんをつくらせるし、洗濯もできない。卵をフライパンに落としながら、「なんで俺が？」な快、非常によかった。この同居生活、視聴者的にはずっと続いてもらっても構わないとさえ思う。

　温厚そうな快をイラつかせるくらいには、明るくひょうひょうと生きているように見えるソハだが、実はそればかりではないことが明らかになる。韓国では、優秀なソハが実力で高校の特進クラスに入ろうが「財閥3世だから」と片付けられるし、コネを求めて近づいてくる人も少なくなかったという。

　おそらくはそういうものを味方にして生きているのが、ソハの兄姉だ。表向きは人に憧れられる存在かもしれないが、内情は違う。当然、彼らにも彼らなりの苦しみがある。それを見ていたからこそ、ソハは違う道を選んだ。兄姉たちのように生きるには優しすぎたのもあったと思う。

ソハ「ずっと1人だよ」に込められた思い

　そしてついに姉から、「将軍を連れて帰らないなら何もかも失くす」と最後通告を受ける。「ウロアのウ・ソハではなく、ただのソハになる」「1人ぽっちになる」とまくしたてられたソハは、「ずっと1人だよ、昔から」と寂し気な表情でつぶやいた。

　だから、ソハが快の動物病院に入院していたモカというワンちゃんに自身を重ねたことも頷ける。モカは血統書付きのいわゆる高価なワンちゃんで、バリキャリ風の女性に連れられて来院したものの、約束の時間になっても引き取りに来ないどころか連絡もつかなくなってしまった。スタッフが連絡を試みるのを目にしたソハは、モカが飼い主を呼んで鼻を鳴らすのを留守番電話に残す。

　ソハが姉に告げた「ずっと1人だよ」は、モカが鼻を鳴らすのと同じなのかもしれない。自分の孤独に気付いてほしいという思いを込めた、必死の表現。

　結局、モカの飼い主は出張の予定が伸びていたとかで、留守電を聞いて病院に飛んできた。快の言う、「この子にはあなたしかいない」という言葉が響いている様子だったことに安堵する。ワンちゃんたちは、飼い主の見栄を満たすための存在ではない。

　そして、ソハにも救いの手が。愛子（清原果耶）が、「ここではお金も家もない、ただのソハさん」だから「自由を楽しんで」と励ましたのだ。奇しくも、姉と同じく「ただのソハ」という表現をしたにもかかわらず、聞こえ方はこんなにも違う。こんな声を、ソハはこれまでにかけてもらったことがあっただろうか。