高杉真宙”惟規”ロスが止まらない…これほどの”愛されキャラ”になったワケ。大河ドラマ『光る君へ』第39話考察レビュー
text by 苫とり子
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。これまで道長を恨み、呪詛し続けていた伊周が亡くなる。さらに、まひろにとって大事な人もまた1人…。今回は、第39話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
物語の重要人物2人の退場…。
伊周(三浦翔平)が発狂して道長(柄本佑)に襲いかかり、家司に連行されていく姿を目撃したまひろ(吉高由里子)。『光る君へ』第39回では、それからしばらくして伊周が世を去る。
容姿にも家柄にも恵まれ、自信に満ち溢れていたかつての姿はもうどこにもない。死の直前まで道長に奪われ尽くした己が人生を嘆いていた伊周。だが、最後の最後は妻子に囲まれ、定子(高畑充希)の無邪気な幻声を聴きながら穏やかにその時を迎えた。
口端はかすかに微笑んでおり、隆家(竜星涼)は静かに涙をこぼしながら「あの世で栄華を極めなさいませ」とはなむけの言葉を贈る。その生き方には賛同できなかった隆家だが、それはそれとして最後まで野望を持ち続けた兄への尊敬の念も感じさせる弟らしい見送りだった。