日曜の22時が待ちきれない…。ドラマ『団地のふたり』に視聴者が憧れる理由とは? 人気のワケを徹底解説&レビュー
text by 小林久乃
作家・藤野千夜による同名小説を原作にしたドラマ『団地のふたり』が、NHK BSプレミアムにて放送中だ。小泉今日子と小林聡美が扮するのは団地で生まれた幼なじみのふたり。今回は、人気の理由を複数のポイントから解説。魅力の根幹に迫る。(文・小林久乃)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:小林久乃】
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報は こちら
『団地のふたり』の温かさ
物語の舞台は、郊外にある公営団地。この団地で育ち、一度は出て行った太田野枝こと、ノエチ(小泉今日子)と、桜井奈津子こと、なっちゃん(小林聡美)は幼なじみの2人。離婚や恋人との別れを経験して、50代に単身となって団地に戻ってきた。が、戦後の高度経済成長期に建築された団地。多くの住人同様に老朽化、だんだんガタがきている。そんな団地とふたりを囲む、ご近所付き合いを描いた物語だ。
主演のふたりもリアルに50代で、他の出演者も高齢の俳優たちが名前を連ねている。おそらく見ている視聴者側も中高年。出る側と観る側、双方、手をとって楽しんでいきましょうと言わんばかりの温かさが潜む。
朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)の放送終了後、ドラマによる楽しみの砦だった『団地のふたり』もいよいよ最終章へ突入。改めて惹かれる理由を振り返ってみたい。