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佐々木蔵之介”宣孝”の死でロス続出…死の瞬間が描かれなかった理由とは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第29話考察レビュー

text by 苫とり子

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。前回亡くなった中宮定子に続いて、今度は物語序盤から登場していた2人の退場が描かれた…。今回は、第29話の物語を振り返るレビューをお届けする。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】(文・苫とり子)

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

まひろの夫・宣孝と道長の姉・詮子の退場

『光る君へ』第29話より ©NHK
『光る君へ』第29話より ©NHK

『光る君へ』第29回「母として」では、物語のはじめから登場している人物が二人旅立った。一人は、まひろ(吉高由里子)の夫・宣孝(佐々木蔵之介)。本作では月が重要な役割を果たしているが、宣孝はいつも周囲をパッと照らす太陽な男だった。

 宣孝はまひろの遠縁にあたり、父・為時(岸谷五朗)の古くからの友人でもある。まひろが幼い頃から頻繁に家を出入りし、不器用ゆえになかなか官職を得られずにいた為時の世話を焼いてくれた。

 母であるちやは(国仲涼子)の死をきっかけに気まずくなったまひろと為時の仲を取り持ってくれたのも宣孝である。ただ、当初は登場回数も少なく、史実を知らない人からしてみれば、“面倒見の良い親戚のおじさん”くらいの認識だったのではないだろうか。

 しかし、まひろが成長するにつれ、少しずつ存在感を増してくる。もともと好奇心が旺盛で聡明な上に、道長(柄本佑)との関係で艶やかさを得たまひろをいつしか女性として意識するようになった宣孝。普段はまひろと歳の離れた友人のように接しているが、ふとした瞬間に見せる酸いも甘いも噛み分けた大人の色気に視聴者もまたドキッとさせられた。

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