ホーム » 投稿 » ドラマ » 町田啓太“公任”に首ったけ…なぜ大石静の描く男性は魅力的なのか? NHK大河ドラマ『光る君へ』第3話考察。感想レビュー » Page 2

まるでタキシード仮面?
月夜に現れた謎の男・直秀

『光る君へ』第3話より ©NHK
光る君へ第3話より ©NHK

第3話のもう一つの見どころは、今回のタイトルにもなっている謎の男・直秀(毎熊克哉)の存在。右大臣・兼家(段田安則)の息子とわかり、すぐに解放されたが、道長は彼のせいで放免に捕らえられてしまった。

本人も後味が悪かったのか、直秀は家から出られないまひろに道長の無事を伝える。そのシチュエーションがなんともロマンチック。まひろが月を眺めていたところ、屋根の上から「見るな。声を上げるな。危害は加えぬ」と見張りのものに気づかれぬよう静かに声をかける直秀。用件だけ伝え、颯爽とその場を去っていく彼はまるでタキシード仮面みたいだ。

本作を手がける大石静は、魅力的な男性を描くのが得意な脚本家。それも完璧すぎないところがかえって女心をくすぐる男性が多く、“尾高沼”というワードを生んだドラマ『知らなくていいコト』(2020、日本テレビ系)の柄本佑演じる尾高由一郎、女子視聴者から「こんな人と結婚したい!」という声が多数上がったドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』(2018、TBS系)のムロツヨシ演じる間宮真司、ドラマ『星降る夜に』(2023、テレビ朝日系)で北村匠海が演じた子犬系年下男子・柊一星など、その例を挙げると枚挙にいとまがない。

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