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松下洸平の”瞳”に注目すべきワケ。スピンオフで明かされた”あの人”の本音とは? 『いちばんすきな花』第8話感想レビュー

フジテレビ系で放送中の『いちばんすきな花』。第8話では、”美鳥ちゃん”(田中麗奈)の生い立ちが判明。ゆくえたち4人からの印象が、それぞれ別の人を指しているかの様だったことの理由が明らかに。今回は、答え合わせとなる第8話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

全ての答えは美鳥の中に

田中麗奈いちばんすきな花公式インスタグラムより

美鳥ちゃんが、志木さんが、みどちゃんが、小花先生が……ついに登場した。

田中麗奈演じる志木美鳥を、なぜだか背中から映すカットが多いように感じた。年相応に落ち着いていると言えばそうなのかもしれないが、彼女は決して暗いというわけではなく、かといって快活に笑うタイプでもないから、なんとなくその背からはもの哀しさが漂う。

その理由が、椿(松下洸平)、夜々(今田美桜)との再会によって明らかになった。美鳥は、思っていたよりもずっと、苦労の多い人生を歩んでいた。

4人にとって美鳥が共通の知り合いであることを本人に確かめたゆくえ(多部未華子)は、ほかの3人には内緒でまず美鳥と再会する。この人の前で見せる自分と、あの人の前で見せる自分。誰にだって、「誰かの前だけの自分」があるから。その意図を、もちろん美鳥も汲み取っていた。

その頃、椿宅に集まっていた夜々と紅葉(神尾楓珠)のもとへ、ゆくえから電話が入る。「かわりばんこ」と言って、何の説明もせずそそくさと椿の家を後にする2人。いたずらをしているみたいな末っ子2人がなんとも愛くるしい。

するとそこへ、美鳥が訪ねてくる。「春木!」と呼びかける美鳥の表情はどこか切迫していて、椿の目にはうっすらと涙が溜まっている、ように見えた。松下洸平の瞳の演技に、はっとさせられる。

ひとしきり再会について笑顔で会話した後、椿は「けが、してない?」と優しくも哀しい声で問いかける。「もうしてない、ケンカしてない」と答える美鳥。

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