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“恋愛感情抜き”で惚れる…松村北斗“楠見くん”の振る舞いに心が救われるワケ。『西園寺さんは家事をしない』第2話レビュー

text by 菜本かな

松本若菜主演、松村北斗共演のドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)が放送中。本作は、家事をしない主人公・西園寺さんが年下の訳ありシングルファーザーと「偽家族」として暮らすハートフルラブコメディ。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

“誰かといる”ことの楽しさとわずらわしさ

『西園寺さんは家事をしない』第2話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第2話より ©TBS

 西園寺さん(松本若菜)の親切を、楠見くん(松村北斗)は「家族でもない人に、そこまで甘えるのは変です」と拒もうとする。家族になら、どれだけ甘えてもいい。家族じゃない人には、甘えてはいけない。たしかに、自分自身のなかにも、知らず知らずのうちにそんな固定観念が植え付けられていることに気づかされる。

 もしかすると、楠見くんがいく度となく「家族でもないのに」「家族じゃない人に」と言うのは、西園寺さんに「家族じゃなくたって甘えてもいいじゃん」と言ってほしい気持ちもあったのかもしれない。
 
 ひとりでいるのが好きな人、誰かといないと無理な人、同居するのはいいけれど自分ひとりの空間はほしいと思う人。世の中には、さまざまなタイプの人がいる。楠見くんにとって、西園寺さんはひとりでいるのが好きな人で、その空間に侵入されるのを極端に嫌がりそう…というイメージがあるのだろう。

 たしかに、ひとりで暮らすのは悠々自適でいい。トイレやお風呂、洗濯機にキッチン…とすべてを自分の好きな時間に使うことができる。「何時に帰ってくるの?」と聞かれることもないし、掃除をしなくたってとやかく言われることもない。とくに、“家事ゼロハウス”を建てた西園寺さんは、そんな自由な生活を楽しみたいという気持ちが強い人なのだと思う。

 でも、ひとりでいるのが好きな人だって、ずーっとひとりでいたいわけではない。楠見くんとルカ(倉田瑛茉)が飼い犬のリキと楽しそうにはしゃいでいるのを見て、「忘れてたかも、誰かと生活するってこんなだったなぁって」としみじみとつぶやいた西園寺さん。このとき、西園寺さんは“誰かといる”ことの楽しさとわずらわしさの両方を思い出していたのではないだろうか。

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