ホーム » 投稿 » ドラマ » 前代未聞のラストに騒然…結末を暗示する若葉竜也“三瓶”のセリフとは? ドラマ『アンメット』第10話考察レビュー

前代未聞のラストに騒然…結末を暗示する若葉竜也“三瓶”のセリフとは? ドラマ『アンメット』第10話考察レビュー

text by 苫とり子

杉咲花主演の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)。本作は、“記憶障害の脳外科医”が主人公の、新たな医療ヒューマンドラマ。ミヤビの手術は事実上不可能だと判明するも、三瓶は吻合の練習を繰り返す…。今回は、第10話のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

ーーーーーーーーーーー

【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

不穏なラスト…ミヤビに残された時間は?

『アンメット』第10話より ©カンテレ
『アンメット』第10話より ©カンテレ

 世界をくまなく照らす光(=方法)をまだ見つけられていないと、無念の思いを漏らした三瓶(若葉竜也)。そんな彼にかけたミヤビ(杉咲花)の言葉「三瓶先生は私のことを灯してくれました」は、杉咲のアドリブから生まれた名台詞だった。

 その直後、突如としてミヤビは三瓶が誰だかわからなくなってしまう。一過性健忘の症状だった。発作はすぐに治まるが、以降もミヤビは度々記憶が抜け落ちるようになる。

 そんな中、絵描きの柏木周作(加藤雅也)が公園でてんかん発作を起こし、丘陵セントラル病院に運ばれてくる。検査の結果、柏木の脳にはグリオブラストーマという最も悪性の腫瘍が再発しており、余命は3ヶ月から半年とみられた。

 本人も覚悟はしており、はじめはスタッフたちの似顔絵を描きながら穏やかに過ごしていたが、出血により大きくなった腫瘍が脳を圧迫。その影響で抑えていた感情が表に出てきて、やがては記憶障害を起こして妻・芳美(赤間麻里子)のことすらもわからなくなっていく。その姿を目の当たりにしたミヤビは自分もこの先、何もかも忘れてしまうのだろうかと不安に駆られるのだった。

 病院の建て替えを巡る汚職事件に関わったとして関東医大を去ることになった大迫(井浦新)は、藤堂(安井順平)や津幡(吉瀬美智子)にミヤビの症状を説明しにやってくる。ミヤビの記憶障害は事故で海馬動脈を損傷したことによる血流不足が原因だった。それがもし再発し、血流不足が進んでいくと最後には脳梗塞が完成して命に関わる。

 防ぐには、ノーマンズランド(=メスを入れてはいけない場所)にある0.5㎜以下の血管を吻合するしかない。さらにミヤビの場合は特殊な血管であり、吻合にかけられる時間はたったの“2分”だったーー。

1 2 3 4
error: Content is protected !!