手術シーンのクオリティが高すぎる…医療関係者も絶賛した杉咲花の桁外れの才能とは? ドラマ『アンメット』第7話考察レビュー
杉咲花主演の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)。本作は、“記憶障害の脳外科医”が主人公の、新たな医療ヒューマンドラマ。今回は、ミヤビと三瓶の2人で高度な手術に挑んだ第7話のレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
居酒屋「たかみ」店主・高美の願いに応えるミヤビと三瓶
記憶障害を改善させるため、抗てんかん薬を増やしたミヤビ(杉咲花)。すると、断片的ではあるが、前日のことを覚えていられるようになった。そんなミヤビのお祝いも兼ね、高美武志(小市慢太郎)と香織(阿南敦子)が営む居酒屋「たかみ」を訪れた丘陵セントラル病院・脳外科の面々はいつもより料理の味が濃いことに気づく。検査の結果、高美の脳には髄膜腫という腫瘍があり、その影響で嗅覚が落ちて味つけが濃くなったことが分かった。
腫瘍自体は良性だが、腫瘍切除の際に神経が傷ついて嗅覚を失う可能性が高いことをミヤビは高美に告げる。料理人にとって、嗅覚の喪失は致命的だ。加えて、匂いは記憶と密接な関わりを持っている。特定の香りを嗅いだ時に、その香りと結びつく過去の記憶や感情が呼び起こされる現象を“プルースト効果”というが、高美の場合は鰹出汁の香りを嗅げば、修行時代に自分のとった出汁が親方に何度も否定されたことや、その度に香織が励ましてくれたことなどをいつでも鮮明に思い出すことができた。
匂いとともにその大事な記憶が失われるかもしれない可能性を前に、狼狽える高美。けれど、髄膜腫を放っておけば、脳のあらゆる場所にダメージを与え、いずれ命にも関わってくる。葛藤の末に高美は手術で腫瘍を切除する手術を受けることにした。
極めて難易度の高い手術になるため、執刀はミヤビと三瓶(若葉竜也)の2人体制で行われることに。「少しでもいいから匂いを残してほしい」という高美の願いを胸に手術に臨む2人。そんな第7話では、脳外科医であるミヤビの天才的な一面が覗いた。