「音楽と演技が影響を与え合っている」劇場版『トリリオンゲーム』シシド・カフカが語る制作の楽しさとは? 単独インタビュー
text by 斎藤香
TBSで2023年に放送された大ヒットドラマ『トリリオンゲーム』の劇場版が、2月14日(金)より公開中だ。カジノ舞台に、謎めいたディーラー・ラモーナを演じたシシド・カフカさんにインタビューを敢行。初共演となった目黒蓮さんとのエピソードや、俳優活動についてたっぷりお聞きした。(取材・文:斎藤香)
ラモーナの“心の雪解け”をどう表現するか
―――最初に出演依頼があったときのことを聞きたいのですが、出演の決め手は? この作品のどういうところに惹かれましたか?
「私が演じた“ラモーナ・タキガワ”という名前に惹かれました。ミステリアスでかなり濃いキャラクターなのではないかと。おもしろそうだと思いましたし、制作スタッフの方が、『ぜひお仕事をしたかった』とおっしゃってくださって、とてもうれしかったので、ありがたくお受けしました」
―――カジノの凄腕ディーラー、ラモーナ、とてもかっこよかったです。キャラクターの解釈について教えてください。
「名前のインパクトが強いので名前負けしないようにしなくてはいけないと思いました。彼女はボスのウルフ・リー(石橋凌)のそばにいることが多いので、貫禄たっぷりのウルフの隣でどんな色を出せるだろうかと考え、いい感じの“こばんざめ感”を出したいと思いました(笑)。
また彼女は個人的な事情を抱えながらディーラーとして生きていますが、ハル(目黒蓮)たちと出会って、彼女の心がどうやって雪解けしていくのか…。そのあたりもキモだなと思いながら演じました」
―――ラモーナの心の変化について、村尾嘉昭監督とは打ち合わせされたのでしょうか?
「私は比較的早い段階でハルとガク(佐野勇斗)に心寄せていくことを想定して、『ここは感情が動いて、こういう表情になるのではないか』と思って演じたのですが、監督から『その表情はまだです』と止められました。彼女はなかなか心を開かない。ラモーナ自身が考えることを諦めてしまったような、重い足枷があるのを意識しながら演じていましたね」