『トリリオンゲーム』が描く下剋上の面白さ
ドラマ版では、“ない”ものづくしだったハルとガク。大きすぎる野望を掲げ、ハルのハッタリとガクの知識と技術を合わせてのし上がっていく様は痛快だった。若者VS年長者、ベンチャー企業VS大企業という構図だけでも興味深いが、若き彼らは金、金、金…と金に目が眩んでいるわけでもない。
ハルとガクの関係のように、仲間を信じる強さ。格上の相手に怯むことなく、ハッタリと知識と技術…そして心でもって立ち向かう。たとえ小さな力でも、それが集まれば番狂わせも夢じゃない。野望に向かって突き進むパワーは計り知れないことを教えてくれる。
ハルとガクの絆はもとより、彼らのロードマップの途中で出会った登場人物たちを信じきるというのも、絵的には静かだがなかなかのスリルだ。善と悪だけではなく、時にはグレーも挟んで、駆け引きをしながら、どのようにロードマップを駆け上がっていくかにも注目だ。