主演の存在感…目黒蓮の笑顔に注目
グループ活動も好調で、ソロとしても映画にドラマ、CMとひっぱりだこの目黒。トリリオンゲーム社が大きく成長を遂げたように、主演として立つ目黒の演技もパワーアップしている。
中でも印象的なのは、やはり目黒の笑顔だ。表現のバリエーションがさらに増えたように感じた。ハルのプロフィールには「天性の人たらし」「類まれなるコミュニケーション能力」とあるように、ハルといえば“ハッタリ”が通用してしまう不思議な魅力がある。そんな彼の破天荒さを和らげているのも笑顔にあると思う。
自信に満ちた笑顔もあれば、含みのある笑顔。相手に寄り添う優しさ、時には恋愛感情…はさておき、頼もしさ、力強さといったように、目黒の笑顔の表現力に引き込まれた。トリリオンゲーム社風に言えば“心が揺れる笑顔”だろうか。
もちろん、ポーカーフェイスを貫いたり、表情が曇ったり、鋭くなったりする場面もあるが、それでも強く記憶に残るのはハルの笑顔。スピーディーなストーリー展開と連動して、コロコロと変わる目黒の表情にも注目してほしい。
また、物語でも描かれる若者VS年長者の構図は、実際に若手俳優とベテラン俳優というキャストにも当てはまる。難解な強敵として立ちはだかるカジノ王、石橋が演じるウルフ・リーのド迫力がどっしりと存在し、そこへ田辺誠一が演じる宇喜多隼人も、日本屈指の財閥の代表取締役社長の名に違わぬ有能さと少々のミステリアスな雰囲気を纏って存在感を放つ。ベテラン俳優の貫禄と、若手の瑞々しくパワフルな演技が気持ち良くぶつかり合うところも本作の魅力だ。