「“王道”に投じたジェームズ・ガンの魔球」村松健太郎(映画ライター)|映画『スーパーマン』マルチレビュー
公開中の話題作を4人の評者が“忖度なし”で採点する新企画「映画チャンネル」マルチレビューがスタート! 今回は、映画『スーパーマン』を徹底レビュー。果たしてその評価は? 点数とあわせて、本作の魅力と課題を多角的に掘り下げる。※評価は5点満点とする。(文・編集部)
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“王道”に投じたジェームズ・ガンの魔球
村松健太郎(映画ライター)
【採点評価】4点
常にメインストリームに対してカウンター的な作品を撮り続けてきたジェームズ・ガンが初めてスーパーマンという“アメコミの始祖(=文字通りの王道)”を撮った。結果として王道としてど真ん中に投げつつも、それは予想もしない変化をする魔球になった。これまでさんざん語られてきたことを前提に細かい設定の部分をオミットして、一気にメインの物語が始まるというのもこれまでの”スーパーマン映画”にはないアレンジだった。
今回から新たなDCユニバースが始まるわけだが方向性はまだまだ読めない。これまで狂言回しに近かったレックス・ルーサーだがニコラス・ホルト版は一味違ってヴィランを務めていて好印象。
【著者プロフィール 村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
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