「群像劇としてのスーパーマン──光った脇役たちと犬の存在感」近藤仁美(クイズ作家)|映画『スーパーマン』マルチレビュー

公開中の話題作を4人の評者が“忖度なし”で採点する新企画「映画チャンネル」マルチレビューがスタート! 今回は、映画『スーパーマン』を徹底レビュー。果たしてその評価は? 点数とあわせて、本作の魅力と課題を多角的に掘り下げる。※評価は5点満点とする。(文・編集部)

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群像劇としてのスーパーマン──光った脇役たちと犬の存在感

近藤仁美(クイズ作家)

【採点評価】3点

 この作品は、サブキャラクターも含めた群像劇として観るのがおすすめだ。スーパーマンひとりをメインとするには、もう少々の掘り下げや正義そのものへの疑いがほしくなってしまう。

 登場人物で特に印象的なのは、グリーン・ランタン(ネイサン・フィリオン)とミスター・テリフィック(エディ・ガテギ)だ。前者は当初、煮え切らない中間管理職のような言動なのだが、一度「やる」と腹を括ったオジサマはたまらなくかっこいい。後者は一見冷静なデータキャラかと思いきや、静かに熱く、主人公の窮地に真っ先に手を貸した。そして、華麗なイヌハラスメント。じゃれつくスーパードッグ・クリプトの前では、ヒーローもヒールも形無しだ。登場人物はやや多いが、アメコミファンでなくとも観やすい作品であった。

【著者プロフィール 近藤仁美】
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『せっかち勉強』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供してきた。国際賞「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『クイズ作家のすごい思考法』『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』などがある。

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【了】

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