ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 「良いアクションとは何か?」物語性のある動きを構築。現役のアクション監督・園村健介、独占ロングインタビュー【後編】 » Page 5

「それはちょっと危険ですよ」
時には監督に進言するケースも

ビデオコンテのキャプション画像写真提供園村健介

―――今まで経験してきた現場で、映画監督と意見が衝突したことはありましたか? 例えば監督から安全性を度外視したアクションを要求された場合、アクション監督は極めて厳しい立場に立たされるのではないかと想像するのですが…。

「僕の場合、幸いそこまで過酷な現場を経験したことはなかったですね。ツラいことはすぐに記憶から消えていくので、忘れているだけかもしれせんが(笑)。とはいえ、『それはちょっと危険ですよ』とか、『場所を変えないと危ないかもしれません』など、撮影を安全に行うための助言や進言をすることは少なくありませんよ」

―――最近、庵野秀明監督による『シン・仮面ライダー』の撮影現場を追ったドキュメンタリー番組が話題になりました。園村さんはご覧になりましたか?

「ネットニュースでチラッと存在を知ったくらいで、本編はまだ観ることができていません」

―――本編では庵野監督とアクション監督を務めた田渕景也さんの衝突やすれ違いが記録されています。あれだけの大作映画ですし、事前にチーム内でイメージを共有して撮影に臨むのが普通だと思っていたのですが、撮影当日に何を撮るのかを決めている様子を見て衝撃を受けました。

「僕は今までそのような現場に参加したことがありませんが…。難易度や安全面を考慮すると想像しただけで逃げ出したくなるかもしれません…。

特撮モノといっても、毎週末に放映しているようなレギュラー番組であれば、ある程度フォーマットが決まっているので、事前打ち合わせはそこまで綿密に行わず、現場で決めていくということは十分あり得ると思います。

ただ、お面を被ると視界も悪くなりますし、慣れていない役者さんだと色々差し支えが出てくると思います。役者さんの体の負担を考えると、各部が方向性の共通認識を持って事前にしっかりリハーサルを行ったほうが安全であることには違いありません」

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