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SFアニメの金字塔『トップをねらえ!』を、今観るべき4つの理由。庵野秀明が最も影響を受けた映画監督とは? 元ネタを考察

text by 島晃一

映画『シン・仮面ライダー』が賛否を巻き起こし、改めて日本映画界における特異な存在感を世間に知らしめた庵野秀明。そんな庵野の初監督作品『トップをねらえ!』が全国12館の劇場で公開中だ。今回は、オリジナルビデオアニメーションの金字塔として名高い本作のひも解くレビューをお届けする。(文・島晃一)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

庵野秀明の原点にしてマスターピース

『トップをねらえ!』には、のちに『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに関わるスタッフが多数参加している。
トップをねらえにはのちに新世紀エヴァンゲリオンシリーズに関わるスタッフが多数参加しているGetty Images

ガイナックスが1988年から89年にかけて制作・発売し、OVA(オリジナルビデオアニメーション)の金字塔とも言われた SFロボットアニメ、『トップをねらえ!』。シリーズの35周年を記念して、OVA全6話が劇場公開されている。6月9日からは、その続編となる『トップをねらえ2!』のOVA全6話が上映予定だ。

この1作目は、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズで社会現象を巻き起こした庵野秀明が、初めて商業作品を監督した作品としても知られている。庵野監督にとって、原点とも言えるアニメだ。

また、『マクロス』シリーズなども手がけた宮武一貴がメカニック・デザインを、同じく『マクロス』シリーズなどで知られる美樹本晴彦がキャラクター原案を担当。岡田斗司夫が原作を、樋口真嗣が絵コンテを、90年代に東映特撮作品にかかわる大畑晃一が、合体ロボット、ガンバスターのデザインを担った。音楽はゲーム『サクラ大戦』シリーズの田中公平。貞本義行や前田真宏、摩砂雪ら『エヴァンゲリオン』シリーズにも関わる面々、さらには大張正己といった錚々たるスタッフが集っている。

今回の劇場公開をきっかけに、初めて、あるいは再び本作を観る人に向けて、いくつかのポイントを紹介したい。

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