嬴政と紫夏のエモーショナルなシーンに注目
紫夏は、かつて、戦争孤児だったが、餓死寸前のところを敵兵から逃走中だった闇商・紫啓に拾われ、育てられた。そんな養父への恩返しという意識と、自分と似た境遇を持つ嬴政を秦国に帰還させる仕事を引き受ける。
そして、そのご護送中、紫夏は馬車の荷台に嬴政を匿い、走らせるわけだが、敵軍の矢にたれ死亡する。この紫夏との死別に至るまでの経緯が、馬車で嬴政を搬送中のシーンに挿入されるのだが、とにかくエモーショナル極まりない。
護送出発前のある夜に、ぼんやりと1人で月を見つめる嬴政。そこに静かに歩み寄り、話しかける紫夏。2人で月を見つめながら、嬴政は、自分にはあらゆる感情どころか暑さも寒さも感じず、痛みも感じない人間だということを紫夏に明かす。何も言わず、クールな表情の紫夏。
そして、馬車での搬送シーンにつながるわけだが、搬送の直前で荷台に隠れていた嬴政は国境付近で、敵兵が試し打ちで放った矢を腕にくらってしまう。しかし、痛みを感じない嬴政は、紫夏と共に馬車に乗った2人の仲間に対し、何事もなかったように振る舞っており、2人の仲間は、嬴政の特異体質を知らずに「よくぞ、声も出さず耐えきりました」と、賞賛する。一方、その様子を見て、紫夏は心配する素振りをみせる。
その後、2人の仲間たちは矢に打たれ、倒されてゆく。紫夏は、馬車の操縦を嬴政からバトンタッチし、援護に回るわけだが、ここで彼女も敵兵の矢に打たれてしまうわけである。