ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 日本映画旋風なるか…!? アカデミー賞ノミネート結果を受けて海外のメディアが考察を展開。宮崎駿、2度目の悲願なるか

日本映画旋風なるか…!? アカデミー賞ノミネート結果を受けて海外のメディアが考察を展開。宮崎駿、2度目の悲願なるか

text by 編集部

映画『すずめの戸締まり』、映画『ゴジラ-1.0』、映画『君たちはどう生きるか』と、昨年は大ヒット作が並んだ日本映画。現地メディアは、3月10日(日)(※現地時間)に行われる第96回アカデミー賞を日本映画が席巻する可能性を秘めていると語っているようだ。早速その詳細を現地メディアscreen Rantを参考に紹介していく。

今年もアカデミー賞の季節がやってきた。

映画『君たちはどう生きるか』© 2023 Studio Ghibli
© 2023 Studio Ghibli

2024年度アカデミー賞のノミネート作品が発表された。従来の予想通り、クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』(2023)、マーティン・スコセッシ監督の映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)が主要部門を占める中、映画『May December(原題)』、映画『パスト ライブス/再会』、映画『関心領域』といった小品の名前も目立ち、上述した有力候補作品との強力な競争が起こることが予想できる。

注目したいのは、2023年に突如として日本映画が欧米の間でブームとなったことだ。

2023年は、日本映画にとって驚くべき年だった。当然のことながら、外国映画はここ数年、欧米の視聴者の間で着実に成長している。そのきっかけとなったのは、何と言ってもポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)が2020年のアカデミー賞で作品賞を受賞したことだろう。ここ数年間、コロナウィルスの世界的大流行が、映画作品の興行成績に大きな影響を与えたのは明らかなことだ。しかしその事態も正常に戻りつつある今、外国映画、特に日本映画は、予想外に素晴らしい1年となっている。

2023年に日本映画の人気が急上昇したのには理由がある。それは昨年、日本アニメ界の2大巨頭が、長編新作を発表したことだ。

映画『君の名は。』(2016)の製作で名の知れる新海誠監督。彼は2023年初頭に、自身の最高傑作の一つである、映画『すずめの戸締まり』でカムバック。本作は、日本では2019年に劇場公開を迎えたものの、アメリカとイギリスでは2023年に公開がスタート。批評家から絶大な支持を受け、米映画批評サイトのロッテン・トマトでの評価でなんと「96%」という、傑出した数字を記録し、複数のアニメーション賞にノミネートされた。

さらに言及したいこと。それはもちろん待望の宮崎駿とスタジオジブリの復帰についてだ。宮崎駿監督の遺作と噂された映画『君たちはどう生きるか』。本作は、批評家や視聴者の熱狂的な支持を受け、ベテラン監督の復活作と何度も評されているのだ。

それに加え日本はアニメ作品以外でも、注目すべき作品がある。それは12月中旬に公開を迎えた、映画『ゴジラ-1.0』だ。映画『ゴジラ-1.0』では、一般的なCGI怪獣映画に満足することはなかった。特攻に失敗したパイロットが日本の混乱の中、その人生を立て直そうと、悲しみ、喪失感、義務感を驚くほどエモーショナルに描き、怪獣の物語も同時に展開させた。

多くの批評家が映画『ゴジラ-1.0』は、米国のリメイク映画を吹き飛ばす、”現代のゴジラ映画の最高傑作”であると認めている。また、製作会社である東宝は、従来のゴジラファンからも、”もっと見たい”と思わせ、高評価を獲得している。

素晴らしい邦画が映画業界に溢れるのは、圧倒的な記録を挙げるメジャー作品達だけには留まらない。インディーズの世界でも昨年は同様に絶賛を受ける傾向が見られた。例えば、是枝裕和監督の映画『怪物』だ。本作は2023年の映画祭の寵児であった。昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドールにノミネートされ、主要な映画祭で数々の賞を受賞している。

さらに2023年には、ヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』や、濱口竜介監督の『悪は存在しない』といった傑作達が欧米で限定劇場公開を迎え絶賛を受けた。

1 2