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「重いという言葉で片付けたくない」河合優実、映画『あんのこと』に込めた思いを語る。インタビュー&メイキング映像が解禁

text by 編集部

「重いという言葉で片付けたくない」少女の壮絶な人生を綴った新聞記事を基にした衝撃の人間ドラマ『あんのこと』が、全国の劇場で公開中だ。同作の主演を務めた河合優実が、脚本を読んだ感想や意気込み、そして佐藤二朗と稲垣吾郎との共演について語ったインタビュー映像と、同作のメイキング映像が解禁された。

河合優実が自身の主演作『あんのこと』に込めた強い思いとは?

© 2023『あんのこと』製作委員会
© 2023あんのこと製作委員会

 本作のメガホンをとったのは、2020年の日本で現実に起きた事件をモチーフに、『SRサイタマノラッパー』シリーズや『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』の入江悠監督。

 主人公・杏を演じるのは、ドラマ『不適切にもほどがある!』で話題となり、先日、主演作『ナミビアの砂漠』でカンヌ国際映画祭に初めて参加し、世界からも注目を集めている若手俳優・河合優実だ。

 また杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅を佐藤二朗が、更生施設を取材するジャーナリスト・桐野を稲垣吾郎が演じている。

© 2023『あんのこと』製作委員会
© 2023あんのこと製作委員会

 河合は、脚本を読んだ感想について訊かれると「重いという言葉で片付けたくはないですけど、いつも以上に真剣になる題材だなと思った」「はじめて読んだ時から自分の中にずっと離さない部分というか、そういうものを一個ずっと持っていれば大丈夫だなと思ってました」と本作への強い思いを話す。

 今回初共演となる佐藤のことを訊かれると「特にこういうお話なので佐藤二朗さんが多々羅を演じてくれて(雰囲気を)軽やかにしてくれたと思う」「本当にご本人が素敵な方で一緒になる日も多かったですけど、どんな人にも対人(たいひと)として接してそれが自然にできる方だなと思った。役としても本人としてもパワーを貰ってました」と、劇中で特別な関係を演じ、近い距離にいたからこそ感じた佐藤の魅力を明かした。

 そして稲垣については、「独特な方ですごい大事な役」「稲垣さんの持っている他の人にはない柔らかさと、どこにも寄らない感じというか、それが週刊誌の記者という役で中和してくれてる感じがあってすごく良かったです」と語り、稲垣が放つ唯一無二の存在感を肌で感じたことを窺わせた。

 インタビュー映像と同時に、河合が佐藤や稲垣と話し合うシーンや屋外ロケなどを捉えたメイキングも公開された。こちらは、キャストとスタッフが団結し作品を創り上げていく様子が感じとれる映像となっている。

 実力派俳優らが織りなす渾身の演技は観る者にいつしか映画であることを忘れさせ、現代社会の歪みや不均衡といった実相を容赦なく突き付ける。それと同時に、単なる社会派ドラマという枠を超え、生きようとする杏の意志、そして彼女が見た美しい瞬間をも映し出し、我々の知らなかった現実を教えてくれる見応えたっぷりの一作となっている。

映画『あんのこと』は全国公開中だ。

<STORY>

 21歳の主人公・杏(河合優実)は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、10代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅(佐藤二朗)という変わった刑事と出会う。

 大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。

 週刊誌記者の桐野(稲垣吾郎)は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。

 ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。

 そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。

【作品情報】

出演:河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかり
監督・脚本:入江悠
製作:木下グループ 鈍牛倶楽部
制作プロダクション:コギトワークス
配給:キノフィルムズ
© 2023『あんのこと』製作委員会
上映時間:114分
公式サイト:annokoto.jp

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