キャラクターと視聴者を戸惑わすラストに注目
最後にネタバレ全開で、殊勲賞を贈りたい出演者とニヤリとするオチについて綴りたい。
殊勲賞は、町田透課長(トオル)である。彼は、上司たちに「なんとかタカ&ユージに協力してほしい、横浜のテロを救えるのはあの2人しかいない」と呼びかける。もちろん、上司たちは、首を縦に降らない。
しかし、トオルはある奇策に出る。なんと、タカ&ユージが「一日署長」になる権利を秘密裡に獲得してきたのだ。
「これで、2人は、今日一日は、あぶない刑事に戻れます!」と、拳銃まで渡す。
なるほど~!と、思わず唸った。
「2人は現在、探偵なんだから、タイトルに偽りありやん!」と思っていたのだが、最後の最後のどんでん返しで整合性をはかる脚本には恐れ入った。
さらに、エンディングにて、彩夏は2人を抱きしめ、「ありがとう、お父さん…」とつぶやき、ハーレーで去ってゆく。2人は、「今、俺の方見て、お父さんって言ったよな?」「いや、俺の方だよ!」と、言い合う。
時を同じくしてトオルは、頼んでおいた彩夏のDNA鑑定の結果を見て驚きの表情を見せる。
といった流れで、結局、彩夏はタカ&ユージ、どちらの子だったのか?はたまた、どちらの子でもなかったのかは判然としないまま、物語は幕を閉じるのだが、視聴者に議論の余地を残すこの演出も、筆者は粋と受け取った。
タカ&ユージが元気でおられるうちは、まだまだ帰ってきてほしい『あぶない刑事』をぜひ、堪能していただきたい。
(文・ZAKKY)
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