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アントニオ猪木の偉大さとは…? 数々の伝説が蘇るドキュメンタリー映画『アントニオ猪木を探して』徹底考察&レビュー

text by 寺島武志

アントニオ猪木のドキュメンタリー映画『アントニオ猪木を探して』が公開中だ。現役選手であるオカダ・カズチカや、猪木の弟子である藤波辰爾などがそれぞれ猪木像を語り、芸能界随一の猪木のファンである、くりぃむしちゅー・有田哲平や俳優の安田顕も出演し話題を集めた。今回は、猪木愛に溢れた本作を徹底的に読み解いていく(文・寺島武志)

プロレス界のアイコンであり続ける猪木伝説を映像化

アントニオ猪木
アントニオ猪木Getty Images

昨年10月1日に、指定難病の全身性トランスサイレチンアミロイドーシスとの闘いの末、79歳でその波乱に満ちた人生に幕を閉じたアントニオ猪木。現役のプロレスラー時代や、その後の政治家時代のバイタリティーに溢れる姿とは一変し、死の直前まで、弱り切った姿で『24時間テレビ』に出演し、YouTubeでもメッセージを放ち続けたのち、実弟の啓介氏らに看取られ、この世を去った。

あれから1年、死してなお、プロレス界のアイコンであり続ける同氏の人生を追い、かつ、猪木イズムを継承するレスラーたち、その生き様に魅せられた“猪木信者”の有名人も出演。貴重なアーカイブ映像で、“アントニオ猪木とは何者だったのか”というテーマの下、「猪木寛至」の真の姿に迫るドキュメンタリー作品だ。

本作は、猪木の生前のエピソードを、関わった人々が語るドキュメンタリーパート、80年代に猪木ファンとなった少年が、猪木の言葉からパワーを得てきた90年代の青春時代を経て、2000年代の中年期の人生を描くドラマパート、そして猪木の貴重なアーカイブ映像とスチール写真という3つの要素で構成されている。

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