ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 津田健次郎の狂気芝居に引き込まれる…最高の結末とは? 『映画 マイホームヒーロー』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー » Page 3

津田健次郎が佐々木蔵之介を追い詰める

映画 マイホームヒーロー
©2024 映画マイホームヒーロー製作委員会

佐々木蔵之介と津田健次郎といえば、テレビ朝日系ドラマ『グレイトギフト』でも共演し、ともに殺人球菌に憑りつかれ、人間性が崩壊していく様を好演していたが、本作では、主人公・哲雄を演じる佐々木は、部下の信頼も厚い理想の上司である半面、家族を守るためならその命をも賭す覚悟を持った父親となる二面性を持ち、片や志野役の津田の狂気に満ちた演技も迫力十分で、実に恐ろしい。

独自に捜査していた零花は、ある男性を訪ねる。それはドラマ版最終回で哲雄らの策略によって、延人を殺した犯人に仕立て上げられ、逃亡した間島恭一(高橋恭平)だった。

身分を隠して港湾工事の現場で働いていた恭一。事件のカギを握っているであろう彼を通して真相に迫ろうとする零花。一方で、哲雄への復讐と間野会への復帰の機会をうかがっていた恭一は、零花の提案に乗る。

しかし、恭一の狙いは哲雄のクビでも、消えた10億円でもなかった。「10億円の在りかを知っている」と志野に近付き、最後には自分を見捨てた間野会の壊滅を目論んでいたのだ。

ところが警察にも半グレにも追われるハメとなった哲雄は、志野に捕らえられてしまう。警察官で捜査本部にも名を連ねている薬師寺(大東駿介)が、間野会とつながっていたのだ。

1 2 3 4 5 6