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福島第一原発事故の真実に迫る。役所広司主演Netflixオリジナルドラマ『THE DAYS』。2023年に配信スタート

text by 編集部
福島第一原発所長の吉田昌郎をモデルとした人物を演じる

福島第一原発事故の事実を忠実に描いた、Netflixオリジナルドラマ『THE DAYS』が、2023年に全世界同時配信されることがわかった。主演はNetflixシリーズ初出演となる役所広司。日本をの命運を決したと言っても過言ではない、実在の事件を圧巻の臨場感でリアルに描いた同作は、2023年の目玉になりうる注目作だ。

役所広司が演じるのは
福島第一原発所長の吉田昌郎をモデルとした人物

全8話のシリーズドラマとなる『THE DAYS』は、入念なリサーチに基づき、三つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマ。あの日、あの場所で、本当は何が起こっていたのか…。政府、会社組織、そして現場で命を懸ける者たち、それぞれの視点から描き真実に迫る、緊迫の七日間を描く実話である。撮影は、ワーナー・ブラザース映画製作のもと、2021年6月から10月にかけて行われた。

企画・プロデュースは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズなど大ヒット作を手掛ける一方、『はだしのゲン』といった骨太な社会派ドラマを世に送り出してきた増本淳。増本は「十年以上が経過した今もなお終わりの見えないこの事故の存在を、世界の人々に忘れずにいてもらいたい」という願いで企画を立案。主演に抜擢したのは、日本が誇る名優・役所広司である。

本作がNetflixシリーズ初出演となる役所は、最前線で指揮をとった福島第一原発所長の吉田昌郎をモデルとした人物を演じ、物語に深みと説得力を付与。本作に出演するにあたり、「最初は題材が題材なだけに『これをエンターテインメントにしていいのか?』という気持ちがあった」という。しかし、プロデューサーから製作意図を聞き、製作する意義を見出したことで、出演を決意したという。

メガホンをとったのは、『コード・ブルー』シリーズの監督として増本と長年タッグを組んできた西浦正記と、『リング』シリーズの中田秀夫の両監督である。西浦監督は「地を這う者の目線にこだわり、被災した人々の恐怖を少しでも自分のものとして感じてもらえるようにした」と語る。また、中田監督は撮影中、「尋常ではない不安や恐怖を抱えつつ『これは仕事だ』と職務を続けた彼らの内面に肉迫したいと常に考えていた」という。

日本のエンタメ界をリードする才能が一堂に会し、2011年3月11日に福島第一原子力発電所で起きた真実を描く『THE DAYS』。主演の役所広司、増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督によるコメント全文は下記の通り。

◆役所広司
最初は題材が題材なだけに「これをエンターテインメントにしていいのか?」という気持ちがありましたが、プロデューサーの話をお聞きして意義を感じ、出演を決めました。私が演じた役は、チェルノブイリでさえ経験しなかった全電源喪失といった極限状況下でも信念を持って指揮をとるリーダーですが、英雄として描かれるわけではありません。原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問い、そこにこそ本作の意義があるのだと思います。

◆増本淳プロデューサー
勇気ある者たちが日本の危機に立ち向かったという美談、英雄譚にはしたくありませんでした。原案のタイトルにもあるとおり、4機の原子炉が同時に暴走するという、まさに死の淵に立たざるを得なかった人々が味わった恐怖と不条理をできうる限り事実に忠実に伝えることをテーマとしました。そして、十年以上が経過した今もなお終わりの見えないこの事故の存在を世界の人々に忘れずにいてもらいたいという願いから制作に至りました。

◆西浦正記監督
映像化には苦労しました。3.11のニュース映像は世界中が目にしている。現実の映像が持つ迫力にどれだけ迫れるかは大きな挑戦でした。とは言え、空撮を多用したハリウッドのディザスター映画のようにはしたくなかった。地を這う者の目線にこだわり、被災した人々の恐怖を少しでも自分のものとして感じてもらえるようにしました。また、役所さんをはじめ、普通の人として演出することも挑戦でした。

◆中田秀夫監督
目に見えない放射線への不安や恐怖感をどう描くか。それが演出上、最重要な点でした。吉田所長以下、現場の方々が知恵と体力を振り絞り、その恐怖に立ち向かって行く。それでも容赦無く放射線量は増大していく。彼らが経験した極限状態の緊迫感を身近に感じてもらうため、我々も事前に実際の建屋内に入り、セットに反映しました。尋常ではない不安や恐怖を抱えつつ「これは仕事だ」と職務を続けた彼らの内面に肉迫したいと常に考えていました。

【作品情報】
タイトル:『THE DAYS』
監督:西浦正記 中田秀夫
企画・脚本・プロデュース:増本 淳
原案:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:池田宏之 高橋信一
プロデューサー:関口大輔 増子知希 髙田良平
出演:役所広司
製作:ワーナー・ブラザース映画 制作:リオネス
2023年 Netflixにて全世界同時配信!