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濱口竜介監督も大絶賛。A・キアロスタミ監督『クローズ・アップ』。映像の魔力みなぎる予告編が公開。9月3日(土)より公開

text by 編集部
C1990 Farabi Cinema

9月3日(土)から公開が始まるアッバス・キアロスタミ監督作品『クローズ・アップ』。現代映画の最高峰として名高い本作について、『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督から絶賛コメントが届いた。また、世界各国の映画祭で高い評価を得ている孤高の映画作家・小田香による予告編も公開となった。

【映画『クローズ・アップ』予告編】

■コメント■

自分が見たものを信じられずに何度も見てしまう。イラン社会をすり抜けつつ恩寵のような偶然を
すべてものにしてしまう、もはや悪魔的なまでの狡猾さと執念。なぜこの世にこんな映画が存在す
るのかまったくわからないが、目の前にある以上は信じざるを得ない。キアロスタミによる映画の
存在証明。
――濱口竜介(映画監督)

奇跡。そうたやすく使うべきではないこの言葉を呟かざるをえない希少な機会の一つは『クロー
ズ・アップ』を前にしたときである。人も空き缶も虚構も現実も何もかもがカメラの前で等価にな
る美しさと残酷さ。必見。
――深田晃司(映画監督)

□予告篇を制作した小田香監督のコメント
予告篇制作に不慣れで、確認作業をするために、繰り返し同じ場面を見ました。その度に胸を打つ
ショットたち。
主人公の顔つき、花束の鮮やかさ、転がっていく空き缶の音から、ぐんぐんと映画に引き込まれ、
はっと編集机に戻ってくる、という時間を過ごしました。
素晴らしいショットやイメージというのは、一瞬で時空を超えさせてくれるのだと、しみじみ感じ
ました。
――小田香(映画作家

■INTRODUCTION■

「映画は、グリフィスに始まり、キアロスタミで終わりを告げる」—ジャン・リュック・ゴダール
「キアロスタミは10年に一人の監督!」—クエンティン・タランティーノ

C1990 Farabi Cinema

『友だちのうちはどこ?』やカンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』などで知られる巨匠アッバス・キアロスタミ。その美しく独創的なフィルモグラフィにおいてもひときわ異彩を放ち、いまなお数多くのシネアストを魔法のように魅了し続けている本作『クローズ・アップ』。

 ある男が映画監督のモフセン・マフマルバフになりすまし、裕福な一家を騙したという詐欺事件を知ったキアロスタミ監督は、すぐに裁判所を訪れ、その公判の模様をカメラに収めることに成功する。さらに、事件に至る過程を当事者たち自身に演じさせて再現することで、事の次第を明らかにしていく。ドキュメンタリーと再現、虚構と現実を精巧に織り上げていった果てに、ついに映画は詐欺容疑で逮捕された青年の心の奥に秘められた真実を探り当てる。

 めくるめくサスペンスと不意打ちをくらわされたような衝撃的な感動。時代を超えても色褪せない稀代の大傑作が、HD リマスター版でスクリーンに甦る!

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【the アートシアターとは】

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《これまでの上映作品》
Vol.1 ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』『エル・スール』[2017 年 3 月開催]
Vol.2 ヴィターリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、甦れ!』[2017 年 10 月開催]
Vol.3 ジャック・ドワイヨン監督『ポネット』[2020 年 6 月開催]

【作品情報】

映画『クローズ・アップ』

C1990 Farabi Cinema

監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ 撮影:アリ=レザ・ザリンダスト
出演:ホセイン・サブジアン、ハッサン・ファラーズマンド、アボルファズル・アーハンハー、メフ
ルダード・アーハンハー、モフセン・マフマルバフ
1990 年|98 分|イラン|英題:CLOSE-UP © 1990 Farabi Cinema 配給:ノーム/東風

9月3日(土)より3週間限定公開[東京]ユーロスペースほか全国順次

アッバス・キアロスタミ監督『クローズ・アップ』 9月3日(土)よりHD リマスター版でリバイバル上映決定!