映画『キャプテン・アメリカ:BNW』評価&考察レビュー。渾身の勝負作…今後のMCUの「基準点」であると断言できるワケ
text by 灸 怜太
マーベル・スタジオ最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が、2月14日(金)より全国の劇場で公開中だ。今回は、ストーリー、アクション演出、役者の演技など、多角的な視点で本作の魅力を解説する。(文・灸 怜太)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
大いなる「仕切り直し」としての『キャプテン・アメリカ』新作
みんな、ついてきてる…? と、周りに声をかけたくなるほど追いかけるのが大変になっているマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。
はじめて『アイアンマン』や『キャプテン・アメリカ』が実写映画で暴れまくる姿を観たときの興奮。そのヒーローたちが『アベンジャーズ』でクロスオーバーを果たした奇跡。次々と送り出される新作をリアルタイムで追い続けた先に待っていた『エンドゲーム』の壮大なカタルシス…。
あの“祭り”の感覚をまた味わいたいと、その後もMCUを追い続けているが、お馴染みのキャスト陣は卒業し、新たなキャラクターは増え続け、設定はどんどん複雑化。さらに観きれないほどのドラマシリーズが配信され、文字通り宇宙のように膨張し続けるユニバースを把握するのは、なかなかしんどい作業だ。
特に日本では脱落者が増え続けているようで、公開作の興行成績も下降気味。さらにストーリーの鍵を握るはずだったキャストがスキャンダルで降板、そしてロバート・ダウニーJrが再参戦とMCU周辺はかなりカオスなことになってきている。
そこでファンと興行側が待ち望んでいるのは、大いなる「仕切り直し」だ。いろいろあったけど、改めて原点回帰して、ここから盛り上げていきたい。そんな期待を背負ったMCUの勝負作が『キャプテン・アメリカ ブレイブニューワールド』となる。