色とりどりの2代目が背負うMCUの看板
本作の主人公は、2代目キャプテン・アメリカとなるサム・ウィルソン。彼は初代キャプテン・アメリカの相棒ファルコンとして様々な作品で活躍してきたが、先代のスティーブ・ロジャースからヴィブラニウム製の盾を託されたことで2代目を襲名。長い下積みを経て、ようやく主役に繰り上がった苦労人なのである。
そこで空席になったファルコンにはサムの友人のホアキン・トレスが就任し、新たに2代目ファルコンとして登場。さらに、いままでアベンジャーズとずっと対立してきたアメリカ政府の要人、サディアス・ロスは大統領に出世。このサディアス・ロスを演じていたウィリアム・ハートが亡くなったため、その役を引き継いだのがハリソン・フォードで、これもある意味2代目。その娘のベティ・ロス役でリブ・タイラーが久々にMCUに復帰したが、彼女が出演していた『インクレディブル・ハルク』でブルース・バナを演じていたのはエドワード・ノートンで、現在のマーク・ラファロは2代目になる…などと、MCU設定と背景を説明しようとするだけでトリビアルになってしまう。これが新規客を遠ざけてしまうのだ。
制作陣もそのあたりは意識しているようで、本作はそんなファン向けの要素をあまり見えないようにして、できる限りシンプルに作られている。
2代目キャプテン・アメリカことサム・ウィルソンは、サディアス・ロス大統領に呼び出され、国防のために「アベンジャーズ」の再結成を命じられる。そこに謎のテロ集団が襲撃、そして新たに発見された金属「アダマンチウム」を巡って各国の対立にサムたちも巻き込まれていく…と、ストーリーもシンプルだ。