とことんシンプル・ストレート。初心者大歓迎、安心の出来栄え
『キャプテン・アメリカ』シリーズは、MCUのなかでもポリティカル・サスペンス色が強く、政治や陰謀、そして過去からの因縁が渦巻くミステリー仕立てのストーリーが多い。本作もその系譜に連なるが、現実に基づいた国家間の争いや平和を守るための戦いが描かれているため、ファンタジーが苦手な人でも楽しめるはずだ。
キャプテン・アメリカ=サム・ウィルソンも、特殊なスーツを着ているだけで、基本的には生身の人間。ファルコンも、政府のエージェントとして活躍するルース・バット=セラフも鍛えただけの人間だし、テロ集団の首領サイドワインダーも特殊能力は持っていない。MCUとしては極めて等身大なキャラばかり。
今作最大のヴィランとなるレッドハルクはさすがにモンスターだが、デカくて怪力というだけの単純な能力なので、何も考えずにその暴れっぷりを楽しめる。
アクションも奇をてらわず、洗練された格闘バトルが小気味よく展開。戦闘機を絡めたエアリアル・チェイスと、ハルクがホワイトハウス周辺で大暴れするなどの仕掛けのデカい見せ場もある。
もちろん、タイムスリップもマルチバースもない。とことんシンプル・ストレートな作風は、まさに初心者大歓迎仕様なのだ。