ベルリン国際映画祭「テディ賞」が持つ特別な意義とは? LGBTQ+権利の後退に対抗しクィア映画を後押し

text by 編集部

今年で第39回となるベルリン国際映画祭のテディ賞は、主要映画祭において最も歴史あるLGBTQ+の映画賞だ。しかし、今年はトランプ政権の今年は世界情勢、特にアメリカのトランプ政権の動向を受け、例年以上に意味を持つ年となる可能性があると海外メディアが報じている。(文・編集部)

映画祭における社会的役割

ドナルド・トランプ
ドナルド・トランプ【Getty Images】

 今年のテディ賞が特に注目を集める背景には、アメリカのトランプ政権による反LGBTQ+制作の強化がある。

 トランプ大統領は、大統領前政権が制定した「LGBTQ差別を性差別と見なす最高裁判決の履行義務」を撤回、さらに「国家は2つしか存在しない」と公言している。

 これにより、トランスジェンダーやノンバイナリーの存在が否定されるような状況が生まれ、LGBTQ+コミュニティにとって厳しい時代が到来している。

 テディ賞は、LGBTQ+の件地と平等を暫定化する象徴的な場となっている一方で、カンヌ映画祭のクィア・パルム(Queer Palm)賞は、15年経っても公式部門に昇格しておらず、影を潜めている。

 反LGBTQ+の風潮が強い今、テディ賞は多様性を守るシンボルとして世界の注目を集めている。

(文・編集部)

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