従来のスーパーヒーロー像を覆す異色作
『デッドプール』(2016)
監督:ティム・ミラー
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
原作:ファビアン・ニシーザ、ロブ・ライフェルド
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T・J・ミラー、ジーナ・カラーノ、レスリー・アガムズ、ブリアナ・ヒルデブランド、ステファン・カピチッチ、カラン・ソーニ
【昨日内容】
元傭兵ウェイド・ウイルソン(ライアン・レイノルズ)は恋人ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と結婚を決意するが、ガンで余命宣告を受ける。治療を名目に謎の組織によって人体実験を受けた彼は、不死の肉体と驚異的な能力を得る。
一方で、醜い姿に変えられたことで赤いコスチュームをまとい「デッドプール」となった彼は、自身を醜い姿にしたエイジャックスを追うが…。
【注目ポイント】
従来のスーパーヒーロー映画としは一線を画す、過激なアクション、下品なジョーク、そして主人公デッドプールの第四の壁を破るメタ発言が特徴で日本の公開ではR15指定。アメコミ映画として異例の大ヒットを記録した。
元傭兵ウェイド・ウィルソンは末期ガンと宣告され、謎の組織からガンの治療と超人的な能力を得ることができる怪しい治療に承諾したものの、実は人体実験で謎の薬物を投与され、やがて副作用で全身が酷く損傷した姿になってしまう。ウェイドはデッドプールと名乗り、自分をこんな姿にしたエイジャックスを追うというのが第1弾でのストーリーだ。
アメコミ&ヒーロー作品は子供世代も好む作品だが、R指定作品ということもあり過激な描写が多数存在する。ウェイドが謎の薬物を投与されたのちに、アドレナリンを放出させるため大人でも目を背けたくなるほどの拷問を受けるシーンがあるのだ。他にも、派手なアクションシーンは子供も楽しめそうだが、ややスプラッター要素が強い。
ここまでの内容だとあまり気まずくはならないが、実は序盤から過激なベッドシーンがあり、その後もストリップバーの女性がヌードになっている姿や淫語など下ネタを連発する。
とはいえ、でX-MENのメンバーであるコロッサスやネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドなどが登場したりとアメコミ好きには堪らない。
なお、続編の『デッドプール2』(2018)と『デッドプール&ウルヴァリン』(2014)は、過激描写も下ネタも健在だがベッドシーンはない。けれど、こちらもR指定だ。
しかし、PG12まで年齢制限を下げた『デッドプール2のおとぎばなし』バージョンがあるのをご存じだろうか。過激なシーンのカットや、「ピー音」などの編集に加え、新たなシーンを追加しているので、ファミリーで楽しめる1作となっている。