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実写版オリジナル楽曲が良すぎる…。
ハリー・ベイリーの歌声に酔いしれる

映画監督のロブ・マーシャル
映画監督のロブマーシャルGetty Images

『リトル・マーメイド』に登場するキャラクターの中で、最もインパクトを放つのは、トリトン王の娘で主人公のアリエル。そして海の魔女アースラの2人だろう。

主人公・アリエルを演じたのは女優のハリー・ベイリー。彼女はアフリカ系アメリカ人であるが故、アニメ版のアリエルのイメージにそぐわないとして、「アリエルは白人だ」、「子供時代の思い出を台無しにしないでほしい」など、公開前から批判的な声が挙がった。またSNS上では#NotMyAriel(私のアリエルじゃない)のハッシュタグが出回る事態に。

しかし、監督のロブ・マーシャルは、ベイリーをアリエル役にキャスティングしたのは、肌の色とは関係がなく、あくまで彼女の歌声が決め手だったと、現地メディアの取材に応えている。

マーシャル監督の言う通り、ハリー・ベイリーが歌う「パート・オブ・ユア・ワールド」は、彼女の美しく伸びやかな声が際立ち、上質なエモーションで劇場を包む。

アニメ版にはない実写版オリジナル楽曲も注目だ。「パート・オブ・ユア・ワールド」、「キス・ザ・ガール」など、お馴染みの名曲に加え、実写版で新しく追加された新曲「何もかも初めて」や、エリック王子のパワーバラード「まだ見ぬ世界へ」、スカットルとセバスチャンが歌う「スカットル・スクープ」といった曲も登場する。

新曲が、どれも素晴らしい。ハリー・ベイリーの歌唱力を味わえる主題歌はもちろん、王国のニュースをラップ調で伝える「スカットル・スクープ」は、スカットルや、セバスチャンの陽気でユニークな性格が全面に出ており、優れたキャラクター表現にもなっている。

またこの楽曲は、魔女・アースラとの取引をはじめとした緊張感のあるシーンに対する緩和の役割を見事に果たしており、映画全体のトーンを明るく保つことに成功している。

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