ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » ピクサー最新SF映画『エリオ』の内容は…? ディズニーとの共同製作で注目を集める、2024年公開予定作品

ピクサー最新SF映画『エリオ』の内容は…? ディズニーとの共同製作で注目を集める、2024年公開予定作品

text by 編集部

ピクサー新作SF映画『エリオ』は、これまでピクサーがSF作品をあまり掘り下げてこなかったため、より一層注目が集まっている。その予告動画の内容を見る限り、どうやらピクサーのSF作品『ウォーリー』の内容とは正反対のようだ。今回は、現地のメディアを参考にその詳細を確認する。

主人公は地球の大使に間違われてしまう少年

SF作品『エリオ』は、ディズニーとピクサーの共同製作が行われ、脚本・共同監督は映画『リメンバー・ミー』のエイドリアン・モリーナが務めるという2024年の超注目作品だ。

本作の公式概要によると、内容は次のようなものだ。

「何世紀もの間、人々は答えを求めて宇宙に呼びかけてきた──。ディズニーとピクサーの新作映画『エリオ』では宇宙が呼びかける。

オリジナルとなる長編映画では、想像力は豊かだが目立たないエリオが、遥か彼方の銀河から代表者が集まる惑星間組織“コミュニバース”へ誤って転送されてしまう。

地球から宇宙へ派遣された大使だと誤解されたエリオは、大きなプレッシャーに対してまったく心の準備ができていなかったが、風変わりな宇宙人たちと新たな絆を築いて度重なる大きな試練を乗り越え、自分が本当にあるべき姿を発見しなければならなくなる」

この内容を観ると早くも主人公エリオの活躍を観ることが待ちきれなくなる。本作の内容は、カナダニュースサイトScreen Rantの情報によると、映画『ウォーリー』とはどうやら正反対のストーリーを展開するようだ。

夢見る少年エリオはアーティスティックでクリエイティブな性格。内向的で、なかなか周囲に溶け込めないことが悩み。エリオの母オルガは、トップシークレットの軍事プロジェクトで、宇宙人からの謎のメッセージを解読しようと試みる。

ある日、母に連絡しようとしたエリオは、宇宙人にとっての国連組織「コミュニバース」へと転送され、地球の大使と勘違いされてしまう。というのがこの映画のあらすじだ。

映画『エリオ』の予告動画では、11歳の少年エリオがこの多様な惑星からエイリアンの代表が集結する「コミュニバース」に転送され、エリオは地球を代表する大使と間違われる。一度は「違う」と否定するエリオ。「じゃあ記憶を消そう」と言われ「待って。ぼくは地球のリーダーです!」と、とんだ大宣言を放っている。

『ウォーリー』は、ゴミ処理太陽ハイブリッドロボットのウォーリーが、人間の世界に放り込まれ、地球の思わぬ救世主になる話。一方、『エリオ』のストーリーは、エリオが異星人の環境に放り込まれ、おそらく地球の窮地を救うという話になる。

ストーリーの大雑把な詳細を見る限り、映画『ウォーリー』とは異なるアプローチになることは間違いなさそうだ。しかしこの両作品は、ただ単に活躍する場所が異なるというわけではない。

『ウォーリー』は、主にその美しいビジュアルで観客を魅了する。荒廃した地球、宇宙空間そしてロボットたちの表情など、細部までこだわり尽くされている表現力に思わず言葉を失う。また、主人公のウォーリーは基本的に無口。落ち着いた雰囲気を持ち、最先端型ロボットのイヴとの心温まるロマンチックな物語でもある。

一方『エリオ』は、非常に明るくポップな作品で、予告動画を観る限り、主人公はかなりおしゃべり。おそらく主人公のセリフ主体の映画になることだろう。そのためコメディとアドベンチャー要素が強く、ウォーリーに比べると勢いのある作品となることが予想できる。

つまり、説得力があり、静かに観客の心を満たしていくSF作品『ウォーリー』と比較すると、ワクワクして楽しいアドベンチャー映画になる可能性を秘めており、ピクサーのSFラインナップに加わるのが待ちきれない期待作なのだ。

しかしそのストーリーの類似性から、ピクサーはアイデアの焼き直しを行っているようにも思える。ピクサーは過去に続編作品の製作において、アイデアの使い回しを非難されたこともあり、今回もこの問題と無縁ではない。

もし『エリオ』の次回予告動画で『ウォーリー』と類似点を感じる内容であれば、ピクサーがアイデアを使い果たしていると見なされ、『エリオ』の興行的な成功にも悪影響を及ぼすことは必至だろう。

『ウォーリー』の人気にもかかわらず、ピクサーはあまりSF作品を掘り下げてこなかった。SFと言える作品は、映画『トイ・ストーリー』バズ・ライトイヤーのバックストーリーを描いた2022年の映画『ライトイヤー』だけだ。よってピクサーが新作SF映画を開発したことは非常に刺激的。注目の一作になること間違いなしだ。

1 2