「覆面被ったただの変態じゃん!」ホラー映画『プー あくまのくまさん』はひどい? 胸クソ描写に込められた深い意味とは?
text by ZAKKY
児童小説の名作「クマのプーさん」。名キャラクターが殺人熊となってクリストファー・ロビンを追い駆ける…。衝撃展開を描いた映画『プー あくまのくまさん』が公開中だ。「ホラー版プーさん」は面白い? それとも、ひどい? 忖度なしガチレビューをお届け。(文・ZAKKY)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】
著作権は大丈夫?
100%トラウマになるプーさん
最初に言及しておきたいことは、本作は『13日の金曜日』シリーズなどの古き良きホラー映画を体よく踏襲している。何の罪もない人々が狂気的なキャラクターによって不条理に殺されてゆく。ストーリーには深遠なメッセージ性があるわけではなく、目を覆いたくなるような凄惨なスプラッター表現で観る者を魅了する。しかし、物語の運びはステレオタイプではあるが、何と言っても、設定が斬新である。
タイトルだけでおわかりだと思うが、みんな大好きな「クマのプーさん」が、殺人鬼…いや、殺人熊として、登場するのだ。注意喚起をしておこう。特に子供の頃から、プーさんに親しんできたような生粋のプーさんファンは、絶対に観ない方がいい。100%トラウマになる。
しかし、怖いもの見たさが勝る人は、止めはしないので、劇場に足を運ぶべし。そもそも、ディズニーかどこかに版権があるのかは存じないが、よく許可が下りたなと思う。制作陣の強行突破であったのであろうか。もしそうだとしたらそのアグレッシブな姿勢に感心する。そんな、色んな意味でヤバい物語を考察していこう。