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『AKIRA』はなぜ実写化・リメイクされない? 日本アニメ史上に燦然と輝く名作の魅力を改めて深掘り考察

text by 編集部

大友克洋による人気アニメ映画『AKIRA』は、国内のみならず海外にも多くのファンを持つ、日本を代表する作品である。それゆえ、数々の監督達がその実写版を製作するために動いたが、結局20年以上も実写化には至っていない。今回は現地メディアを参考に、なぜ『AKIRA』が実写化されないのか、その理由を徹底解説していく。

『AKIRA』の実写化が難しい8つの理由

AKIRAGetty Images

1988年公開のアニメ映画『AKIRA』は、大友克洋の同名漫画を原作とした、日本映画史上に残る名作。日本だけにとどまらず、世界的に人気を博している。

数年後にはそれに続き、アニメ『ドラゴンボール』や、アニメ『ポケモン』などの、日本のアニメシリーズが世界進出を果たした。つまるところ、アニメ作品の世界進出の道を切り開いた作品がこの『AKIRA』なのだ。

実写版『AKIRA』は、20年以上の間、実に様々なプロデューサー・監督が開発を試みている。しかし、今だに実写版が製作に至っていないのだ。

まずは、1990年代後半のソニー。『AKIRA』の漫画の権利を取得後、実写映画化を目指したが、実現には届かなかった。その後、2002年にワーナー・ブラザーズが実写映画化権を取得。何人ものクリエイターがこの活動に携わったが、これもまた実現には至らなかった。

かつて実写版『AKIRA』映画の製作を試みた、あるいはオファーがあったとされる監督には、映画『ブレイド』のスティーブン・ノリントン。映画『エスター』のジャウマ・コレット=セラ。映画『ハッピー フィート』のジョージ・ミラーに映画『NOPE/ノープ』ジョーダン・ピールなど名監督が並んでいる。

この事実により、いかにこの作品の実写化が困難なものなのかが伝わってくるだろう。

現在では映画『ジョジョ・ラビット』、映画『フリー・ガイ』のタイカ・ワイティティ監督が実写版『AKIRA』の監督を務めることとなっている。しかしそれもまた、実現に多くの困難が待ち構えているだろうことは想像に難くない。

今回は、カナダニュースサイトScreen Rantより『AKIRA』の実写映画化がなぜ難しいのか、8つの理由をご紹介する。

①膨大な予算が必要となる

ネオ東京の世界観を再現し、そのストーリーを実写化するには、莫大な予算が必要になることが考えられる。実写化することで、アニメ版『AKIRA』の映像のカッコ良さを、より大きく、より激しく表現できるのが映画というフィールドの良さだ。

しかしそれを現実化する為には作品内で登場する、超高層ビルやテロ、デモで埋め尽くされた、ディストピア的都市の再現や、超能力者に変装するための特殊メイク。

本作の代名詞である衣装やバイク。レーザー銃などの武器の用意が必要となる。また、アニメのような独特な色彩をスクリーン上で再現するには、高度な映像技術が必要となり、それには大きなコストが掛かることが予想できる。

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