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近未来の日本を予見? ハラハラする物語…衝撃の結末とは? 映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』徹底考察&評価

text by 寺島武志

2021年初頭にアメリカでネット掲示板に集った個人投資家たちが巻き起こした、超クレイジーな実話“ゲームストップ株騒動”を描いた映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』が公開中だ。今回は本作の見どころに迫るレビューをお届けする。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】

小さな力で世界を変える物語

© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
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「蟻のひと噛み巨象を倒す」ということわざがある。

一人ひとりの力は小さくともでも、多くの力が集まれば大きく強力な相手を倒すことができる。どうにもならないと思えるような状況でも、多くの人が一丸となり挑むことで世界を変えることができるという希望を表す言葉だ。

本作は、証券市場の場で、それを成し遂げた男の実話を映画化した物語だ。

舞台はコロナ禍真っ只中のアメリカ。人々は、行動制限により出勤や通学のみならず、普段の買い物ですら不自由な生活を強いられていた。

そんな中、マサチューセッツ州の平凡な証券アナリストだったキース・ギルも“ステイホーム”の生活で、在宅勤務と育児を両立しながら、自らの全財産5万ドルをある会社の株に投資していた。

その会社とは「ゲームストップ」というゲームソフトの小売りを行う企業。現在、ゲーム業界はオンライン販売が、その売り上げの大半を占め、実店舗での販売は廃れつつあった。

事実、ゲームストップ社も倒産寸前と噂され、株価は低迷、そこにコロナ禍が襲い、店舗従業員もリストラされ、アルバイト従業員の給料の前払いの要望にも応えられない財務状況だった。

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