奇跡のような完成度…初代ファン大興奮の理由とは? 映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』徹底考察&評価レビュー
人気シリーズの最新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』が公開中だ。前作「アフターライフ」が新たな視聴者を獲得し従来のファンも大満足という大成功を遂げてから、僅か2年で公開された本作は面白い? つまらない? 忖度なしのガチレビューをお届けする。(文・灸怜太)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】
前作「アフターライフ」以上の完成度!
例年より気温が低めの日本の春を、さらに冷やすかのように「フローズン・サマー」が上陸! 夏の大作っぽいタイトルなので、ちょっと早すぎないかと思ったが、いざ劇場で観てみると、サマー感はそれほど無く、年季の入った「ゴーストバスターズ」ファンも、新世代のキッズも間違いなく楽しめる娯楽大作に仕上がっていた。
続編やシリーズ映画にとって重要なのが「前作へのリスペクト」。スタッフ一同がシリーズを愛し、「ちゃんとわかってますよ」という要素を詰め込むことで、従来のファンは喜ぶし、新たな観客も歴史と伝統を感じることができる。
その意味で、前作『ゴーストバスターズ アフターライフ』(2021)は、バランスのとれた秀逸な「シリーズもの」だった。
まず、2016年のリブート版『ゴーストバスターズ』をナシにして、89年公開の「ゴーストバスターズ2」から32年ぶりの続編にしたことが大正解。そして、作品の内外に家族の繋がりと継承というテーマが盛り込まれていたことが感動的だった。
新世代の中心となるスペングラー家は、オリジナルのゴーストバスターズの一員だったイゴン博士の娘と孫たちという設定で、これだけで数十年前の作品と自然に物語がリンク。旧作のキャストもカメオではなく、しっかりと物語に絡む形で出演したのも良かった。
そして、監督を務めたジェイソン・ライトマンは、1、2作目を手掛けたアイヴァン・ライトマン監督の実の息子。ストーリーや設定に加えて、スタッフやキャストの人間関係、そしてアイコニックなゴーストたちも復活させたことで、シリーズ愛に溢れた作品になっていたのだ。
そんな時間の重みも魅力だった『アフターライフ』から、たったの2年で続編『フローズン・サマー』が完成。さすがに早すぎないかと思ったが、その完成度は前作以上といえる。