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『ゴジラ-1.0』が海外で成功した6つの理由とは? グローバルな人気をもたらした要因を考察。海外レビューから魅力を紐解く

text by 編集部

12月1日に北米での公開がスタートした映画『ゴジラ-1.0』。本作は国内外の映画批評家やファンから絶賛されている。本作の何が海外の観客の心を掴んだのか。今回は、アメリカの映画メディアScreenRantを参考に、海外のレビューとともに、本作にグローバルな成功をもたらした6つのポイントを紹介していく。

映画『ゴジラ-1.0』はなぜ海外で絶賛されているのか?

映画『ゴジラ-1.0』は、日本のみならず、海外の映画ファンも虜にしている。米映画評論サイトRotten Tomatoesのスコアは、デビュー週末で97%の批評家スコアと98%のファンスコアを記録。ゴジラシリーズの記録を塗り替えている。

映画『ゴジラ-1.0』の上映に伴い本作についてのレビューも続々と寄せられている。今回は海外レビューを参考に、映画『ゴジラ-1.0』の世界的成功を考察する6つのポイントを紹介する。

1.ゴジラの恐ろしさを再認識させた

©2023 TOHO CO., LTD.
©2023 TOHO CO LTD

2024年に生誕70周年を迎えるゴジラシリーズ。”ゴジラ”というキャラクターは、映画史上で最も世界的に有名なアイコンの一つである。

日本を代表するヒットメーカー・山崎貴がメガホンをとった映画『ゴジラ-1.0』は、ゴジラの原点に立ち返り、尊敬や愛のこもったストーリー内容を展開。本作はゴジラシリーズの長い歴史への深いリスペクトに根付いて構成されている。

映画評論サイトAisle Seatのマイク・マクグラナハンは「映画『ゴジラ-1.0』は何十年もの間、世界中の観客を楽しませてきた映画的怪物を真摯に受け止め、知性をもってアプローチすることで、正義を貫いている」と語る。

昭和期に作られたゴジラ映画では、愚かしい部分も描かれるなど、かなり擬人化された形で描かれることも多かったゴジラ。そうした演出は、ゴジラに親しみやすさを与え、幅広い層の観客を楽しませることに成功した。しかしながら、それによってゴジラの人知を超えた「神(GOD」としての側面がないがしろにされることになった。

しかし本作で描かれるゴジラは、本来の重厚さと威光を完全に取り戻しており、よりオリジナルに近い形となっている。それはゴジラが呼び起こす「恐怖」という点でも同様だ。

本多猪四郎がメガホンをとった1954年版において、ゴジラは地球を守る慈悲深い存在などではなく、良心や動機など無関係に自然を破壊する存在であった。ゴジラはまさに恐怖の体現者であり、映画『ゴジラ-1.0』では、そうした要素を前面に押し出した。

アメリカの映画情報サイト411maniaのライター、ジェフリー・ハリスは「脚本家でもある山崎貴が、シリーズの象徴的な怪獣ゴジラを久しぶりに恐ろしい自然の力として描き、原点に戻したことで、ゴジラは再び恐怖を取り戻した」と批評。「怖いゴジラ」の復活は本作のグローバルな成功と結びついているのだ。

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