済州島の美しい自然を背景に繰り広げられる
ノスタルジックでハートウォーミングな物語
『サムダルリへようこそ』
【作品内容】
トップスター御用達のカメラマンとして活躍するチョ・サムダル(シン・ヘソン)はある日、交際していたチョン・チュンギ(シン・ヘソン)の浮気現場を目撃する。相手は自分のアシスタントを務めるパン・ウンジュ(チョ・ユンソ)。
ウンジュはチュンギをめぐってサムダルと交わした会話の音声を公開し、あたかも仕事でパワハラを受けたかのように装ってサムダルを告訴。さらには自作自演の自殺未遂騒動まで起こしてサムダルを窮地に立たせる。
世間の非難を浴び、追い詰められたサムダルは故郷・済州島に戻り、8年前に別れた元恋人のチョ・ヨンピル(チ・チャンウク)と再会する。
【注目ポイント】
ソウルでカメラマンとして成功し、華々しい活躍を見せていたサムダルは済州島の村サムダルリをあとにして18年。地元には戻るまいと歯を食いしばって生きてきたのに、ある日突然人生のどん底に突き落とされる。
大規模な写真展を目前に控える中、4年間自分のアシスタントを務めていたウンジュの裏切りに遭ったのだ。仕事はすべてキャンセルとなり、マスコミに追い回された彼女は逃げるように済州島の実家に戻る。
そこで再会したのが幼なじみのヨンピル。2人の母親は歌手チョー・ヨンピルの大ファンで、ミジャという同じ名前を持つ親友同士。海女として一緒に海に潜る仲だった。
だが20年前、サムダルの母親が取った行動がもとでヨンピルの母親が海の事故で亡くなってしまう。愛する妻を失ったヨンピルの父親は以来ずっとサムダル一家に憎しみを抱いて生きてきた。
8年前、息子と別れるようサムダルに迫ったのもヨンピルの父親だ。しかし子どもの頃からサムダルを一途に思っていたヨンピルは別れたあとも気持ちを断ち切ることができず、陰ながら彼女を見守り続けていた。
物理的な距離が縮まったことでサムダルとヨンピルの関係は再燃するが、ヨンピル父の頑なな態度は変わる気配を見せない。サムダルの母親は胸を痛め、子どもたちのために行動を起こすが……。噂好きの村人たちも気を揉む2人の恋の行方に注目だ。
ラブコメとサスペンスを融合させて大ヒットした『椿の花咲く頃』(2019)の演出家と、心温まるヒューマンドラマ『ゴー・バック夫婦』(2017)、『ハイバイ、ママ!』(2020)の脚本家が手がけた作品だけあり、笑って泣けるストーリー展開で最後まで楽しめる。
(文・古舘美和)
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