ジョン・レノンと愛人関係にあった女性が明かす真実とは? 映画『ジョン・レノン 失われた週末』徹底考察&評価レビュー
text by 寺島武志
1973年秋からの18カ月、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの別居中の「失われた週末」と呼ばれるプライベートな日々に迫る、ジョンの知られざる真実が明かされるドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が公開中だ。ジョンと愛人関係にあったとされる女性が明かした真実とは? 作品の見どころに迫るレビューをお届けする。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】
「ロック界の神」ジョン・レノンの知られざる素顔
ジョン・レノン、および「ザ・ビートルズ」といえば、未だにロック界の神であり、ビートルズとしては、約10年と活動期間の短さに関わらず数々の伝説を残し、ジョンがソロとなり、米国に移住した後も、その思想を多分に含まれた歌詞に多くの若者が惹きつけられ、社会をも動かす存在となった。
あまりの社会的影響の大きさに、当時のニクソン大統領からは目を付けられる。その行動は監視され、自宅電話も盗聴されていたともいわれている。
さらに、ビートルズ全盛期の1966年には、英紙のインタビューで、「僕らはキリストより人気がある」と発言。そのひと言は全世界で“炎上”し、キリスト教国ではビートルズの楽曲を放送禁止にしたほか、抗議声明を出した政府も現れ、その声は、当時のローマ教皇・パウロ6世の耳にまで入り、その批判は、ジョンが謝罪会見を開くまで続いた。
ジョンの妻といえば、真っ先にオノ・ヨーコの名前が挙がるが、ジョンが既婚者であるにも関わらず、前妻・シンシアを旅行に行かせた間に同棲生活を始め既成事実を作り、離婚を認めさせた、いわば“略奪婚”の形で結ばれている。
ジョンと同じくロックミュージシャンの道を選んだジュリアン・レノンは、シンシアとの子であり、離婚を機にシンシアのもとで育てられたのだが、物心つく年齢となるまで、父親であるジョンとの交流は全くなかった。